170/228
学園都市の混乱5
総平は自己紹介を走りながらする。
といっても、お互い知っているが。
情報交換をすると、その後負魔石の対処法を聞いた。
それは魔力で砕くというものだが、簡単で難しい方法だった。
「宮野、大丈夫か?」
貴史は理子に問う。
「ええ」
イヤリングは片方になった事で症状は軽くなっていた。
「それ、負魔石?アクセサリーみたいだけど…」
「はい、上級生に貰いました。俺のは壊れたから宮野のを片方使ってます」
「じゃあ、その上級生が犯人?」
「あ…」
総平が言って初めて気付く。
それは盲点だった。
「兎に角、学校へ向かいましょう」
唯一の下級生、卓の言葉に皆頷いた。
その後、がさがさと緑が揺れる。
一人の青年が立ち上がったのだ。
「その話が本当なら…」
隠れていた姿を現すと、耳のアクセサリーを触った。
そして、総平達が去るのを見ると彼等と同じ方へ走り出した。
そう、学校へ向けて。