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ばら蒔かれた負魔石4
昼休み、冬子は皆を集めた。
「これ、みんなにプレゼント」
そう言うと、様々なアクセサリーを取り出す。
髪飾りやネックレス、ピアスにイヤリング等、種類やデザインは様々だ。
中には男ものもある。
「ありがとう」
仲良くしているクラスメイトは夏帆を含め、次々と取っていく。
「長野さん達も選んで。男子向けのデザインもあるよ」
そう言うと、冬子は隣の席にばら蒔く。
勿論色はどれも紫だ。
ギャル三人の好みそうなデザインを3つピックアップし、長野果絵に渡すと皆の輪に戻る。
「へぇ、どこで買ったの?」
隣の席の井ノ原恭吾は、シンプルなヘアピンを手に取る。
「つけてあげる」
「ありがとう」
いわゆるオカマもどきの恭吾は、嬉しそうだ。
それを皮切りに、次々と男子も手に取る。
冬子は満遍なくクラスメイトと仲良くしているのだ。
「どこで買ったんだ?」
「露店で物凄く安く手に入ったの」
嘘は言ってない。
露店やネット用に沢山作ったうちの一部だからだ。
「高かったでしょう?」
「お土産だし、そんなに高くないよ」
冬子は笑顔を貫いた。




