ばら蒔かれた負魔石2
「これじゃキリが無い」
阿川幸成はパソコンに打ち込みながら言う。
毎日毎日、魔法省は大忙しだった。
警察部門だけでなく指導室や魔法書管理部、研究部の者まで全体が駆り出される始末だ。
5時になり、和田直人がテレホンセンターから戻る。
「戻りました」
「お疲れ様、明日もよろしくね」
本当は樹とのコンビだが樹が学生をしているので平日は幸成と組んでいるが今は非常事態、直人はテレホンセンターの助っ人に行っている。
そして、幸成は栗原大山の連絡係を担当しているのだ。
栗原は小さな事件担当、大山は通常任務外回りだ。
直人が帰ってすぐ、栗原からテレパスが入りパソコンに打ち込んで送信する。
部署毎となる為、責任者である自らが責任を持たなければならないのだ。
魔法古書管理室は割りとすぐ解決するものを担当している。
十件程のデータが送られてくると紙に起こし、一通り終われば一度戻る。
すぐに次を渡しまた出るのだ。
直人が帰って直ぐ、大山の仕事が終わる。
戻るように伝えると、10分後には戻る。
「お疲れさん、15分休憩したらこれよろしく」
「残業かぁ~」
大山はへたり込む。
あと一時間でできる量では無かった。