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魔法だと気付かない方がいい4
「開けます」
樹はノックの後開ける。
美樹は部屋の中央で座っており、物が散乱していた。
静電気どころではなく、髪も酷く、時々光っていた。
「あれ、ネックレス!」
美月の声に、美樹は反応して向く。
確かに、首の所に紫の宝石が光っていた。
「部屋から出なかったのは偉いですね」
そう言うと、樹は部屋に入っていった。
宝石の部分を指で掴むと魔力を込める。
そうすると、負魔石は簡単に砕けた。
それと同時に髪は元に戻る。
「この事は忘れなさい。悪い夢だと思うのです」
そして、美樹は眠りについた。
「もう大丈夫。美月さん、ベッドの上の物を退けて下さい」
「はい!」
美月は慌てて言う通りにする。
すると、樹は美樹を抱えてベッドに寝かせた。
「出来るだけ部屋を元通りに片付けて下さい」
「はい!」
美月は前に来た時を思い出し、時々携帯の写真を見ながら再現していく。
「機械類は買い直すしかありませんが、もう今回の様な事は無いでしょう」
美樹の母親にも運悪く機械が壊れたと魔法で記憶を変え、魔法がバレない様操作した。
「おじゃましました」
美月と樹はそう言うと、美樹の家を出ていった。