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水の魔法使い達4
「卓君、久しぶりね」
「一花さん、お久しぶりです」
卓は師匠、鈴木一花を見ると走っていった。
この場所は消防車や野次馬達から更に遠い位置にある。
消防士ではない為、至近距離まで行くのは無理なのだ。
「水橋さん、どうですか?」
樹は、水鏡を使って視ていた水橋ありさに問う。
「消防士達は駄目ね、全然消せていない」
今来ているのは樹、卓、一花、ありさの四人だ。
「これで全員?」
「いえ、滝沢と山下も来るそうよ」
その言葉と同時に、魔力を感知する。
宙に水が現れ、その中から二人現れる。
「滝沢、遅い!」
ありさの言葉に、悪びれもなくゴメンゴメンと言う。
滝沢陽平という男は軽く言うと、後ろを振り向いた。
「先輩、だから早くする様忠告したんですよ」
「わかってるって、真由子ちゃん。これでも急いだんだよ」
「もっと急ぐべきです」
等とコントを繰り広げている。
「後は山下君ね」
一花は言う。
そして、山下俊人は普通に入って来た。
「俺が最後みたいだな」
そう言い、メンバーを見回す。
「じゃあ、自己紹介しようか」
最後に来ておいて、そう切り出すのだった。