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水の魔法使い達2
普段は普通の消防士をしている魔法使い三人が派遣された。
彼等は他の消防士にバレない様に魔法を使う。
それぞれさりげなく普通の応援消防士として活動するのだ。
「適当にお願いします」
倫人の言葉はそれだけで、三人は拍子抜けする。
「もっと何か言葉は…」
「頑張ってください」
倫人はそれだけで持ち場に戻る。
三人は唖然とするが、直ぐに他の消防士に混ざった。
ホースを持つと、魔力を込める。
水に魔力を込めるだけだが、魔法の火になら対処できる。
実際、三人の掛けた箇所だけ一瞬火が消えた。
「さすがだな」
倫人は呟く。
だが、火はその後復活する。
「くっ、俺たちの力じゃ無理なのか…」
一人が苦い顔をする。
他の二人も険しい顔をしていた。
彼等三人が混ざった所で、余り変わらなかった。
火の使い手より魔力が低かったのだろう。
「もう数名足します、よろしいですか?」
「わかりました、お願いします」
どうせ普通の消防士すら応援が増えているのだ、魔法の使える消防士が増えたところで大袈裟な変化は無い。
一応指揮官に更に消防士が増える事を伝え、それだけだった。




