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ゴースト&キャット12

「面倒事に巻き込んですまなかったね」

エルビスは苦笑いをして皆に言う。

今エルビスは、樹の力を借りて本の中から姿を現していた。

「いえ、楽しかったです」

睦月はありがとうと付け加えて笑った。

いまここに双子は居ない。

だが樹だけではなく当事者の睦月とネネコ、それから葉月がこの場に居る。

「久しぶりに樹といれて、楽しかった!」

ネネコも元気いっぱいに叫んだ。

「じゃあ、いくよ」

エルビスは言うと、何かを呟く。

すると、睦月は少しづつ透明になっていく。

ネネコの方も、光に包まれていった。

「葉月、あの子達に愛してると…」

そこで睦月は消えた。

ネネコの方も、光が消えて倒れる。

「これで解決か?」

「ああ。睦月君も元に戻ったし、ネネコちゃんもちゃんと戻った筈だよ」

「では、魔法省にはこちらが報告します」

「頼んだよ」

そうして、エルビスは本の中に戻っていった。

葉月の助けで愛里を背負う。

そうして葉月の屋敷へ戻っていった。

「…ん?」

少しして、客室のベッドで愛里は起き上がる。

「あぁ、目が覚めたのか」

樹は愛里を見て呟く。

これで今回の事件は完全解決だ。

始業式までに間に合った。

直ぐに葉月も駆けつける。

それを見て、樹は立ち上がった。

「甲斐君…?」

「概要は、理事長に聞くといい」

そうして部屋から去っていった。

「はい、解決しました。報告書は明日に届けます」

電話の相手は阿川幸成だ。

そして、電話を切った。

上司はもう少し話したそうだったが、その前に切った。

次の日、報告書は理事長室からファックスで送ったのだった。


「あれは気のせいだったのかな?」

事件前の事をエルビスは思い出す。

外套を被った二人組がエレベーターで降りてきたのだ。

その片方の魔力は確かに甲斐樹のものだった。

だが、顔を見たわけではない。

それに直ぐに戻っていった故、確認しそこねていた。

いや、できなかったのだ。

「気のせいだろう」

そして、その事は頭の隅に追いやられたのだった。


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