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ゴースト&キャット7
「甲斐、今からこの子を寮に運んで来るわ。そちらは任せたわよ」
理事長は皐月に里穂を渡すと、双子と共に出ていった。
「睦月さん、行きましょう。ネネコも」
「ああ」
「はーい!」
そうして樹はエルビスの元へ向かった。
理事長宅からのエレベーターに乗る。
だが、そのエレベーターに反応が無い。
樹が魔力を注入すると、それは簡単に動いた。
「?」
「樹君?」
「何でもありません」
謎に思いながらも、樹は二人と共に進む。
部屋に入ると、魔法古書は正常に発動していなかった。
魔力の全てが睦月とネネコに注がれていたのだ。
「ネネコ」
「はーい!」
ネネコは元気よく返事をすると、樹と共にエルビスの魔法古書の中に入っていった。
「樹君…」
睦月は祈る。
その割りとすぐ後、葉月が入って来た。
「睦月、進捗はどう?」
「さっき、二人が入ったばっかりだよ」
「後は彼等に任せるしか無いのね…」
そして、睦月と葉月は出るのを待った。