ゴースト&キャット6
「状況はどうなっていますか?」
「変わらないわ。雪村さんはネネコのまま、兄も…」
「僕もこうしてここに居るよ」
葉月と共に屋敷に着くと、睦月が出迎えた。
「樹君、久しぶり。変わらないね」
「睦月さんも、そのままの姿ですね」
ガッツリと握手をする。
不老の樹と死亡時の年齢の姿の睦月、それは不思議な光景だった。
「睦月さんは霊体の具現化の様ですね、雪村さんはどこですか?」
「案内するわ」
葉月は客室に向かう。
中には愛里と遊ぶ里穂が居た。
「理事長!と甲斐君?」
何故樹が来たのか疑問に思うが、樹は構わず中に入る。
「ネネコ」
「ニャア!」
愛里は樹の声に振り向くと、樹に飛び付く。
だが、猫ではなく人間だ。樹は膝をつく。
そして額に人差し指を当てると呪文を唱えた。
「イツキ!」
急に日本語になる。
「久しぶり、ネネコ」
「本当、久しぶりだよ!」
その光景に、里穂は訳がわからなかった。
「関口様。ネネコ様のお世話、ありがとうございました」
双子は告げる。
「何で甲斐君が?」
「ネネコ様は、甲斐様の飼い猫でございます」
「後は甲斐様が解決してくれます」
「ご苦労様でした」
双子は頭を下げた。
「私からも礼を言うわ。ありがとう、そして忘れなさい」
その後、里穂は倒れた。