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ゴースト&キャット2
「愛里、朝だよ」
夏休みが終わるまであと一週間。2日前に愛里と再開した里穂は、いつもの様に愛里を起こしに来ていた。
「愛里?」
コンコンとノックを鳴らずが、愛里は出てこない。
ドアをガチャガチャとやるが、鍵は閉まっていた。
「もう出たのかな?」
「里穂、どうしたの?一緒に食堂行かない?」
「あ、うん!」
愛里はもう出たのだろうと思い、彼女等と一緒に食堂へ向かった。
カーテンが靡く。
無人の部屋は綺麗に整頓されていたが、ベッドの上の毛布だけはぐちゃぐちゃになっていた。
「里穂、どうしたの?」
「何でもない。ただ、愛里の為に一応おにぎり持っていこうかなって思っただけ」
「里穂、本当愛里と仲良いもんね」
「親友だもん」
里穂は笑顔で言う。
いつも通りなら、愛里は部活に行っている筈だ。
いつもより1つ多めに、里穂はそう考えておにぎりを手に取った。
だが、愛里は部活には来ていなかった。
その頃、すやすやと愛里は寝息をたてていた。
森のベンチでうずくまり、里穂の心配を余所に木陰で気持ち良さそうに眠っていた。