ウィッチクラフトアクシデント9
「はい、佐渡高校長峰水からありました。生徒達も佐渡高校の生徒ですし、彼が主犯で間違いないと思います」
会場の仮相談室、樹は魔法省警備部の聴取を受けていた。
「他は?」
「彼の側に三人、外套を被った者が居ました。ただ、それが誰かは顔が見えずわかりませんでした」
「そうか…」
「生徒達は?」
「彼らは操られていた。ただ完全ではなかった故、仲間に当たるのを避けたり協力したりしていたのだろう」
「佐渡高校の生徒達はどうなりますか?」
「彼らは魔法部に入るのは本意ではなかった。魔法部は廃部、記憶を改変後帰すつもりです。そして、監視係を一人派遣する事になると思います」
応援で来た花江春樹は、樹とそう話す。
「それが妥当でしょうね」
樹がそう同意すると、部屋に入って来た。
「花江、助かった」
本職刑事課の関俊也は、入って早々言う。
会場には魔法省内外の人間が沢山居た為応援も沢山おり、刑事課は一般の聴取を主にしていた。
聞き取り内容に俊也は目を通す。
「先輩、行きますね」
「お疲れ」
こうして春樹は出ていく。
「甲斐樹君もご苦労様、君の学校の生徒達も取り調べが終わっているので一緒にホテルに戻って構いません」
「お疲れ様でした」
樹は頭を下げると出ていった。
「長峰水か…身元を洗う必要があるな」
俊也はそう呟いたのだった。