ウィッチクラフトアクシデント5
「君達、何なんだい⁉️」
工藤社長は驚く。
目覚めれば、学生達が覗き込んでいたのだ。
更にはキッチリと縄で縛られている。
「松田君!」
助けを求め社長は辺りを見回すが、学生以外は居ない。
「おじさん、一緒に居た人は外に出たよ」
「この中は安全だ、おっさんの知りあいは魔法省の要請で事態鎮圧に協力してる」
卓の言葉に、条治は補足する。
「どういう事だ?」
「そのままの意味ですよ」
総平は言う。
翔はドームを保つ為に集中していた。
「兎に角、終わるまでこの中に居てください」
総平は再び言うと、背を向けた。
ドームは黒く、周りが見えない。
側ではニコニコしている卓がこちらを見た。
「君は水使いだよね」
「はい」
卓の後ろに居た条治は頭を抱える。
「松田君が…うちの秘書…知りあいが何をしているか見れないかな?」
「ごめんなさい、できないです。おじさんはできないの?」
「魔力を持ってないんだ」
「卓、あまり話すな」
怪訝そうな顔で言う条治に、卓はきょとんとする。
「何で?」
「知らない人と話すなってあるだろ?」
「でも…」
「できないならいいんだ。終わるまで一緒に待ってればいいだけの話だしね」
そして会話は途切れた。