122/228
ウィッチクラフトアクシデント3
「な、何だ⁉️」
信希は現状に戸惑っていた。
歌声が響いたかと思うと、社長が暴れ始めたのだ。
それを気絶させたかと思うと、周りが段々暴れ始める。
歌声は続き、暴走者は増えてゆく。
「歌声を聞いてはいけません」
そう樹は言うと、すぐに去る。
肩にはいつの間にかイヤーマフがあった。
すぐに装着し、音を防ぐ。
だが、信希にできるのはそれだけだった。
社長を守りながら、暴走者を気絶させる。
段々には警備員も増えていく。
「甲斐…」
樹は飛んで歌い手の所に向かっていったのだった。
「君達が犯人だね」
佐渡高校生徒二人の前に立つと、わらわらと他の生徒が現れる。
その者達は、初戦で戦っていた生徒だが、瞳に覇気が無い。
「君達もまた、操られているという事か…」
出場生徒五人は、樹にゆっくりと迫る。
「とりあえず、女子生徒を止めなければな…」
そう思い向かうも、五島翼の攻撃に止められる。
それを交わし空中へ飛ぶと、ロープが向かって来る。
そんな中、四ッ谷葵は歌の出力を上げた。
すると、会場内の暴走者は増えた。