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魔法対戦大会10
「君と俺は同じ系統みたいだね」
それはつまり、同種の魔法を得意とするという事だ。
「だから?」
条治はそんなのどうでもいい。
ただ卓の為にも、どんなものでも格好よく勝たなければいけない。
条治は走ると再び片腕を強化する。
正面突破で殴りにかかった。
拳と拳がぶつかり、それは風を起こす。
一歩引くと、再び今度は顔を目掛ける。
両腕に魔力を込め、連打する。
俊太はそれを両腕で防いだ。
だが、条治は急に腹を目掛ける。
油断していた俊太は、腹に一撃を喰らった。
そのまま飛ばされ、壁にぶつかる。
そのまま、俊太はうつぶせで倒れた。
「降参しろ」
条治は俊太を押さえ込むと言う。
「降参…しない!」
俊太は腕に短刀を出し、条治に向ける。
そして、届かない刃を伸ばした。
条治はそれを避けると、間を取った。
「悪いね、負ける訳にはいかないんだ」
フラフラで刃物を条治に向ける。
上から斬りかかる俊太の攻撃を避けると、そのまま背中に一打した。
それも、両手を組んで振り下ろしたのだ。
そして、俊太はそのまま地面に叩きつけられると気絶したのだった。