魔法対戦大会7
大会は休憩に入る。
健太対圭人の試合でぼろぼろになった会場は、魔法省職員の手によって修復された。
「では二回戦第一試合、海柳高校高森卓対東都高校渡辺大樹を開始します」
合図により、二回戦が始まる。
「炎よ、奴を囲め!」
大樹が叫ぶと、その通りに炎は卓を囲む。
その炎は、じりじりと卓に迫った。
「降参しろ、そうすれば炎は消してやる!」
大樹はあくまで偉そうに言う。
「ごめんなさい、それは無理です」
卓は大樹にそう答えると、小さな瓶を出した。
先日百円ショップで買った可愛いタレ瓶である。
「彼の炎を消して」
そう言うと、瓶の中の水は瓶から出て大きく膨らむ。
そして、卓の願い通り水は炎を消した。
「水魔法かよ!」
炎は水に弱い。
余程の魔力の差がなければ勝てないのだ。
「火炎放射!」
全力で放つ。
卓は水を同じ様に放った。
もう、こうなれば魔力が切れた方が勝ちである。
延々と二人は魔力を使う。
そして、終焉の時が来た。
「もう、無理だ…」
先に魔力が切れたのは大樹だった。
その上、そのまま大樹に水がかかる。
しかし、それはただの水で殺傷能力は無かった。
「魔力切れで、海柳高校高森卓勝利!」
「ありがとうございました」
卓は大樹におじぎをすると、去っていった。