114/228
魔法対戦大会5
四回戦が始まる。
翼の対戦相手、前田真理恵は中々魔法を使わなかった。
「早く魔法を使って下さい!」
それは翼のセリフでもあるが、言ったのは真理恵である。
「じゃあ、使おうか」
綾と翼の役割は、魔法を使わせて負ける事。
だが、相手があれでは仕方ない。
バレーボールサイズのものを魔力で数個出す。
後ろに下がると走った。
バシッ!
ジャンプアタックで相手に当てにかかる。
だが、それは真理恵の前で弾かれた。
見ると、真理恵は両手を前に出している。
「なるほど、一応あと二発程やっときますか」
そう言うと、二発目を当てにかかった。
一応少し強めにしたけどやはり弾かれる。
「じゃあ、最後!」
そう言うと、三発目を打った。
「!」
シールドに当たると爆発する。
色付きもので、全貌が見えた。
手を前に出しているだけの彼女は、前方にしかシールドを作っていなかった。
つまり、手の先の範囲だけのものである。
「降参します」
本来勝てるものだが勝てとは言われてないし、虐めたい訳でもない。
翼の宣言で、真理恵の勝利となった。