魔導同好会3
「断る」
翔の誘いを樹は一刀両断した。
学校に入ったのは問題を解決する為、馴れ合う為じゃない。
「じゃあ、何部に入るんですか?」
「部活動をするつもりは無い」
すると、翔は言った。
「この学校、部活は必須ですよ」
樹はその言葉に驚いていた。
「うちの部は同好会、人数が少ないんです。つまりは自由だという事です」
なんか怪しい商法の様に翔は言う。
「学校に長く居るつもりも無い、必要も無い」
「それは駄目だよ」
そこに第三者が割り込む。
「睦月さん!」
緑の髪の優男は、二人にニコリとした。
「僕は瀬戸睦月、理事長の兄だ。魔導同好会の顧問もしてる。入学して、君の場合は転入してだね。一週間以内に必ず部活又は同好会に入るのは必須なんだ。問題を解決しても君はこの学校の生徒、必ず入りなさい」
睦月の言葉にピクリとする。
「考えておく。結城翔、君は去れ」
樹は翔の目を見て言う。
「良い返事、待ってるよ」
翔は言うと言葉通り去っていった。
「さて、睦月は死んだ筈だが?そうだよな?葉月」
樹は彼を睨む。
すると、声が変わった。
「さすがにばれちゃったわね。でも樹、さっき言ったのは本当の事よ」
睦月姿の葉月は言う。
「問題を解決してもあなたはこの学校の生徒のまま、そして理事長命令で魔導同好会に入部は決定よ」
睦月、いや葉月はそう言ったのだった。