世界の成り立ち
一部改稿しました
1000年よりも以前はどの種族も文字を持っていなかった。現在とは異なりどの
種族も各自の言葉を持っていたが、文字は誰も持っていなかった。バラバラの言
葉で意思疎通ができず、しばしば種族間でいさかいを起こしていた。世界は混沌
に包まれ、力のある種族が暴力で無理やり支配する殺伐とした世界だったそう
だ。なぜ、文字がないのにそれが後世に伝わっているのか、それは言葉を統一し
た1000年前からは現在の言葉で今までの口承だった歴史を書き留めているからだ
。当時世界を1番広く支配していたのはルシファーを長とする堕天種であり、気に
入らない種族を見つけると好き勝手に殺し楽しんでいた。その他にも覇龍種、竜
人種といった強大な魔族がのさばり、他の種族は抗いたくても力の差がありすぎ
て抗うことができず、魔王を輩出する強大な種族の目に留まらないようおびえな
がら暮らす絶望的な時代だったという。
そんな時代に立ち上がったのは他のどの種族よりも力の弱い人間種だった。彼
らは唯一の特徴である「勇気」を振り絞り世界を平和にするために動き出した。
人間は自らの言語を捨ててどの種族も話すことができるような新しい言葉を手に
入れた。それを背景に周りの種族と意思疎通をはかり、同盟を結ぶことに成功し
た。最初期に同盟を果たした種族は人間をふくめ「ドワーフ種」、「マーメイド
種」、「エルフ種」、「ケットシ―種」で、現在はこれらの種族をまとめて5大種
族と言われ平和を築いた象徴として他種族から尊敬されている。彼らと同盟した
ことにより人間は爆発的に力を増す。エルフからは「叡智」の結晶である魔術
を、ドワーフからは「鍛冶」の現れである「剣」を、マーメイドからは「食べ
物」を増やすすべを教えられ遠くに行けるようになり、ケットシ―からは「音」の
技術を応用して他種族の情報を得られるようになった。こうして、瞬く間に人間
と、同盟を結んだ種族の領域は拡大し地上である「表の世界」は1つの広大な国と
なった。
しかし同時期に魔王たちも人間の動きをまねて「裏の世界」である魔界におい
て自ら言語を作り出し魔界に住む魔物たちに浸透させた。5大種族の増長を快く思
わなかった魔物も、急速に拡大する「表の世界」の勢力をおそれ対抗する者たち
とともに魔界に移り住み魔王に従った。魔王のなかでも特に強大な力をもつ種
族、堕天種の長であるルシファーはその間もずっと魔界に君臨をし続け力と狡猾
さで魔界を治めていた。
こうして世界は二分され、争い自体は減ったもののいがみ合う2つの勢力は刃を
交えることを止めず、血は流れ続けるままだった。
そんな時代に現れたのが、勇者といわれた「」だった(この部分だけ文字がか
すれて読むことができない)。彼は生まれた時から他の種族の長所をすべて持っ
ていた。成長するにつれて周りにその力を示すと彼は讃えられいつしか「表の世
界」の長になっていた。ちょうどその時期に起こったのが魔界からの大侵攻で
あった。魔王ルシファーは自分に比する存在を感知しそれを排除するために魔界
軍を地上に送り込んだ。
地上の種族はなんとかこれを防ぎきる。そこで改めて魔界の危険性を知った
「表の世界」の民たちは癒えぬ体に鞭を打ち、逆に魔界に攻め入った。ここでル
シファーは知る。勇者こそが自分に比する存在であり、表と裏の均衡が崩れてい
たと。
こうして勇者たちは1000年前のこの大戦に勝ち、魔王とその周りの力を削い
だ。勇者たちは「裏の世界」を治め2度と争いが起こらないように言葉を1つに
し、すべての民が互いの気持ちをわかるようになった。
また「剣術」と「魔術」を磨いて勇者たちが死んだ後も力の均衡が取れてしま
わないように「表の世界」の民にそれらを教えさせ発展させた。
時は流れ「魔剣術」は研鑽されいつしか人間の力が魔物の力を凌駕しあらそい
はなくなっていった。