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夏の雨 (仮)  作者: 葵
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今年の夏も暑いらしい

 今年の夏は数年ぶりの猛暑らしい。

温暖化のせいか毎年猛暑のように感じてしまうので、どれ程か分からないがとにかく暑いのだろう。

 個人的に夏はあまり好きではない。

 インドアな私は海水浴もキャンプも嫌いだ。紫外線も強いし虫は多くなるし、夏は外に出るもんじゃない。

 さらに暑さに弱い私は思考力も格段に落ちてしまうので夏はエアコンの効いている室内を移動して生きていたいと思っている。

 あと一つ。私が夏を嫌うのは、彼のせいだ。

 いや、彼をあんな目に会わせた私のせい。

 きっとこれからも夏は嫌いだ。

なのに、今年も夏がやってくる。






「あつ・・・」

 空港から一歩外へ出ると、幾分湿気を含んだ風が肌にふれる。

 また一年経ったのかと、ふと思った。

 白石香華(しらいしきょうか)は九州の実家へ里帰りのため、少し早めの夏休みを取ってきていた。

 ここから高速バスに乗って二時間程で生まれてから高校を卒業するまで住んでいた町に着く。田舎とまでいかないが都会かというとそうでもない。そんな所だ。

 私はその町が好きでもなかったし、嫌いでもなかった。

 だけど、結局逃げるように上京して八年。

 年に一度決まった日に里帰りする以外は近寄りもしない。

 なのに、私は毎年必ずここへ帰ってくる。

 そして、また今年も彼に会うのかと思うと苦しくて、少しだけ嬉しい。




 

 






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