お友達は魔王を倒して社会的成功を得た なお俺は
シュウヤ君凱旋から3日くらい。
俺はあの後、ゲロをまき散らして倒れたらしい。
飲み過ぎだったんだね、仕方ないね
そんな俺を介抱してくれたおっさんとシュウヤは神である。
シュウヤはあの後、即位してイブプロフェンの王となった。
晴れてシュウヤ王の誕生である。
ちなみにお供二人もそれなりの地位を手に入れて王国騎士団とかに所属してるらしい。
国民は新しい王の誕生を心から歓迎した。
もちろん俺もね。
く、くやしくないもん!
最初の1年は非常に平和だった。
魔王を打ち滅ぼした若き王という事で期待を一心に背負った王は、国の為に全力を尽くした。
次の2年もそこそこ良かったように思う。
そろそろ世継ぎをとの声もあったが、相変わらず王は民に尽くした。
国は見違えるように良くなっていった。
おかしくなったのはその次の年くらいからか。
王に子供が出来ないのではないかという噂が流れ始めた。
替え玉やらでどうにかならないんだろうかと思ったが、王家の子供だけは紋章で完全に血統を証明する必要があるらしい。
俺も民も、まあそのうち出来るんじゃないかね?と楽観していた。
それから10年、王に子供ができることはなかった。
シュウヤ……王はあらゆる女を呼んでは種付けをしたらしい。
しかしどうも子供ができないんだとか。
種無しだの心無い言葉も王に投げかけられて、王も随分と追いつめられていたようだった。
ちなみに俺はこう思っている。
(もしかして、異世界人同士には子供ができないんじゃないか?)
そのころから、旧王家がうるさくなってきた。
種なしの現王より、旧王家に王位を戻し、血を繋ぐべきであると。
先代王はとっくに没しているため、争いは随分と面倒なことになっていたようだった。
シュウヤは今、何を思っているのだろう?
まあその間、俺はずーーーーーーっと酒場でバイトしてたんですけどね。独身で。
バイトっていうか、主人のおっちゃんが体壊したから店長代理みたいなのもやってるけど。
いやほんと何にもありませんでした。
そんなこんなで、俺とシュウヤが召喚されてから20年くらいたったある日。
『イブプロフェン王都で謀反 シュウヤ王討死』
そんな見出しの号外が、新聞屋の息子から配られたのだった。