魔王が倒されたので村人Aの俺は全力で飲み会した
シュウヤ旅立ちから半年。
シュウヤの冒険には色々あった。
ドラゴンの巣でレッドドラゴンの瞳をかけて戦うとか。
黒騎士の盾を塔で探し回るとか。
伝説の装備を解呪して勇者の剣を手に入れるとか。
巨乳ヘローイさんとひんぬーコッカちゃんとのムフフとか。
村娘とのいきずりムフフとかヤマトの姫とのムフフのフとか。
とにかくいろいろあった。
俺は酒場でふつーに暮らしてただけです。
く、くやしくないもん!
俺がいつもの通り酒場の前を掃除していると、
「号外ー!ごうがーい!!魔王討伐ー!!!
魔王がー!討伐されたー!!!」
新聞おじさんが号外をばら撒きながら走り去っていった。
「おー、ついにシュウヤがやったかー」
まあシュウヤの能力なら、いつかはやると思っていたが。早かったなあ。
「おいトッシ!シュウヤってあれだろお前の友達だろ!すげーなあ!」
「いい友達を持ったよなあ~」
号外を拾った他の村民が集まってくる。
そしてそのまま、勇者不在の魔王討伐打ち上げが行われる流れとなった。
打ち上げは夕方から始まり、三日三晩続いた。
村中で酒をぶちまけ、料理を貪りキャンプファイヤー。
俺はひたすら酒をあおりながら鶏の香草焼きを作り続けた。
シュウヤが帰ってきたのはその3日目の事。
「お、シュウヤ~やったじゃーん」
酒を飲み通しだったので俺はほとんど呂律が回っていない。
「と、トシ……随分飲んでるなあ……」
引かれつつも見捨てないシュウヤ君マジ勇者。
見ないうちに更に装備が強化され、まさにゲームパッケージの勇者のような佇まいだった。
お供の女2人も随分セクシーな高級装備を身に着けている。
「ほれ、お前もノメノメ」
「あ、ありがとう……」
とりあえずシュウヤに杯を渡す。
「それにしても魔王討伐とか大変だったろ~?話きかせてよ~」
絡みつつ近況を探ってみる。
「うん……城の周りにすごい仕掛けがあって、その解除が……」
以下省略。
とりあえず魔王はすごく強かったらしい。そんでイケメンだったらしい。
勇者の剣も途中で折れてえらい目にあったらしい。
そんで、ヘローイさんとコッカちゃんが命がけでサポートしてくれて、どうにかなったらしい。
王道だね!
夜も更け、周りには酔いつぶれた死体が転がっている。
「んでさ~、お前これからどうするの??無職~?笑」
軽く聞いたつもりだったが、シュウヤは思い詰めた顔でこう言った。
「いや……俺は、王位を継ぐことになる。イブプロフェンの王を」
「はぇ~」
なんとまあ、シュウヤが王様か。
まあ魔王倒したし、そのくらいの褒美はあってもいいよなあ。うん。
「しかしすっごいなー。シュウヤ王かぁ。いや、陛下ぁ!か?」
「や、やめろよそういうの……まだ慣れてないんだぞっ」
シュウヤを困らせてやった。ざまぁ~
「そういえば、おわいえうーt89つ゜●×△……」
俺の意識は唐突にそこで途切れた。