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俺のお友達も異世界に転生したらカンストしていた

あれから3日。

とりあえずエスエス街には着いて、とりあえず飯食って泊まって(8Gとかいう破格値で助かった)

とりあえず生活の為に町の酒場に就業した。日給19Gである。

主人のおっさんがすごくいい人で、異世界人である俺の身の上をずいぶん案じてくれての採用だった。

前職もこのくらい優しい人がいたらよかったのに


それにしても……。

(500Gって結構大金だったんだなあ)

あの時のブルースライムさんに感謝。


「トシアキ!鶏を焼いといてくれ!!」

「えーっす」

主人のおっさんに頼まれ鶏をグリルする。塩振って焼くだけだが香ばしい匂いがたまらない。

自炊しといてよかったね!


「お待たせしゃーっした、鶏の香草焼きです」

お客様の所に持っていく。これが俺の日常であった。

まだ2日だけど。


が、客の顔を見た瞬間、俺の顔は凍りついた。


「シュウヤ?!なんでこんな所に?!」

「と、トシ?!」


天城シュウヤ。

俺の幼馴染だが、そのスペックは俺と比べると月とすっぽん。

ろくに勉強もしないのにAランク大学にストレートで入り、なのに家のために手堅い中堅会社へ入社。

可愛い彼女だか女友達だかも紹介してもらった。

見た目も性格も嫌味でなく爽やかガイ、まさに「主人公」のために生まれてきた男……。


……そいつが「ココ」にいるということは。


「お前も、『召喚』されてきたんだな?」

「……お前もか。そうなんだよ」



その後、2時間ほどおっさんに許可を貰ってシュウヤと話し込んだ。

それで分かった事。


シュウヤが勇者。これは確定。

ステータスもすごい事になっている。

--------------------

シュウヤ LV 9999

しょくぎょう:ゆうしゃ

HP 9999999 MP 99999999

--------------------


ワーオ!


そして、シュウヤは既に魔王討伐の命を受け、旅に出ている所らしい。

「それで、お前一人で魔王を倒すのか?」

「いや、実は仲間が……」

そこまでシュウヤが話したところで、シュウヤを呼ぶ声が2つ。


「シュウー!」

「シュウヤ様ぁ~!」


「ヘローイ!コッカ!遅かったじゃないか!」

現れたのは二人の美少女だった。

赤髪褐色ロングの気の強そうな女騎士様がヘローイ。

色白で髪も白いツインテ神職幼女がコッカであるらしい。


「誰だそいつは?シュウの知り合いか?」

ヘローイさんがこっちを睨んでくる。

「ああ、こいつはトシアキ。俺の……元いた世界の友達なんだ」

「どうもデュフ」

「ええっ、向こうの世界のお友達……まさか!」

俺の紹介を受けて、コッカちゃんが青ざめる。

続いてとんでもないことを口走る。

「ま、まさかあの時の誤召喚が……有効だったのでしょうか……」


「……誤召喚?」

思わず聞き返してしまった。

「あ、はい……勇者様召喚の儀を執り行った際……一度ちょっと手違いが……」


あー。

あーそういう。

元々シュウヤを呼ぶ予定だったのね。そりゃそうか。


く、くやしくなんかないもん!


「トシ……」

「あー大丈夫大丈夫。ちょうど無職で困ってたところだし問題ない」

「しかし……」

そこでヘローイさんが前に出てこう言った。

「……どう言い繕っても、召喚されてしまったものは取り消せない。

 トシアキ殿には申し訳ないが、こちらの世界で頑張って生きるように努めてもらえないだろうか?」

「まあ元よりそのつもりですし」

「わ、私のせいでぇ……」

コッカちゃんが塞ぎこんでしまった。


「こちらの手違いである事には変わりないからな。

 生活に必要な資金くらいは王都から出そう」

それを横目に、ヘローイさんの説明が続く。胸おっきいね。


「それは助かりますね。ちなみにおいくら程になるんですか?」

「月5万くらいだな」

「ヒャァ!」


おっと、思わず奇声を上げてしまった。

それにしても、この物価で月給5万Gって、かなり遊んで暮らせる額なんじゃねーの?

異世界来てよかった!


「……二度と元の世界に戻れぬというのに、呑気な御仁だな」

ヘローイさんにつっこまれた。

「まあ、さっきも言いましたけど元よりそんなに未練なかったですしね」

「……そうか」

少しさびしそうな顔だ。自分の故郷にも何かあったとかそういう展開なんだろうな。

まあシュウヤ頑張れ。



「それじゃあ、トシも元気でな!」

「おうおう」

こうして、勇者シュウヤはヘローイさんとコッカちゃんを連れ、魔王の城目指して去って行った。

俺はというと……


とりあえずは生活費を振り込んでもらうための口座を開設する為、町銀行に向かう予定だ。


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