異世界からメールが来たので喜んで返信した
俺の名は中田トシアキ。
齢23歳にしてニートである。
これでも一応1年くらいは働いてたんだけどな。
新卒の時にいわゆるブラック企業とか言うのに入社してしまい、碌にスキルも付けさせてもらえず
鬱状態に追い込まれて無事退職、現ニートと言う訳だ。
幸い実家から送金だけはしてもらっているので、
現在は就職時に借りたマンションでごろごろと過ごしている。
よく本体が熱くなることで有名なスマートフォン、ARR●WSを触っていると
一通のメールが届いた。
『おめでとうございます!貴方は、異世界『イブプロフェン』を救う勇者として選ばれました。
と言う訳でイブプロフェンに来てくれるなら、このメールにさっさと返信してよねっ///』
なんとも、最近の少年小説にありがちな展開の文面であった。
(出会いの業者かな?あいつらも疲れてんなー)
何をするでもなく2、3回文面を眺めまわしているともう一通。
『ちなみにイブプロフェンに召喚されると、そちらの世界での貴方は死んだ事になります。
それなりの覚悟を持って召喚に臨んでください。 お返事お待ちしております』
なるほど、中々凝った設定である。
(でも送り主のキャラ設定くらい統一してほしいよね)
それにしても。
「そちらの世界での貴方は死んだ事になります」ときたか。
の ぞ む と こ ろ だ
どうせ無職だし、前職真っ黒スキル無あげくに童貞である。
現世に未練などあるはずもないのだ。
とはいえ、まさか本当に召喚されるなどとは思っていない。
俺はかるーい気持ちで「召喚されてもええんやで」と返信した。
その瞬間、俺の体は光に包まれ、消えた。