第39話 桜が見れるように。
「ギーガシャン!」
「次!」うーむアイスピックによる…「お前は針山地獄だ」
「次!」「閻魔様!」「なんだ忙しいのがわからんのか!」
「は、しかし天国の神から電話です」
「うーん…なんだ神わしは忙しいんだが…」
「神薙うめ…こっちには来ておらん 要件はそれだけか それじゃあな!」
「閻魔様 神は何と?」
「うーん 行方不明じゃと…以前にも何度かそんな事を言っておったな 全く天国は何をしてるんじゃ」
…
…
…
「ううーん…夢?」
「今日の朝食は甘くて美味しいホットドックだ…食べろ 早く早く」
「…怪しい 小夏後ろに」「ん なんじゃ」小夏のホットドックと取り替えた
「あっ気のせいだった」「そっか 早く早く」
「小夏は食べないの?」「そっかじゃあいただきまーす!」
「ぎゃー!舌が舌がピリピリする!」「…。」
「小夏」
「ななんんじゃああ」
舌を引っ張りながらよく喋れるな
「天国とか地獄ってあるの?」
「あるな 地球には」
「地球には…神球には無いの」
「無いな そもそも地球人が創造した物だからな 神球の人類にはそう言った創造力が無かったからな」
なるほど…嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるぞ小夏!
執務室
「シャーゼ リーゼ 死んだ後はどうなるの?」
「我々エルフは昔から死後は土に帰り自然と化すと言われてます」
そうか其の通りだと以前は私も思って居たんだけど…
会議室
「此れより幹部定例会議を始める…どうぞ」はいはい
「今日はみなさんに死後の世界のお話をします」
「死後の世界?」「小梅様死んだ後に世界があると?」
「はい あります 想像してみてください 暖かい日差しに綺麗な街 聞こえるのは川のせせらぎ ふかふかの布団で昼寝するあなたを…其処が天国です」
「…想像したマロン教国だ」
「違います 此処は天国ではありません」
「死んだ後も小梅様の側に居られるの?」
「…それも違います そこにわたしは居ません」
…わたしが行くとしたら地獄だ。
「そんな世界があるなんて」
「但し其処に行けるのは善良な者だけです 悪行を働いた者は地獄に行きます」
「小梅様 地獄とはどう言う所なのですか?」
「地獄とは閻魔様が犯した罪に対して償いを決めます 償いと言っても永遠に終わる事のない罰が与えられます」
「罰はどう言った物なのですか?」
「鬼と言う角が生えた化け物に四肢をもぎ取られたり 針の山を永遠に歩かされたりします」
「マ、マジかよ」「マジです 永遠に終わらない苦痛が与えられます」
「イメージした…行きたくない!」
デクはイメージ出来る良い子ね。
「天国にはマロン様がいるの?」
「マロン様は居ません マロン様は更なる高みの存在です」
「マロン教国では天国と地獄を説いて行きます 宜しいですか」
「はい」
この日を堺にマロン教の教典に天国と地獄の書が記述された
…まだ書には程遠いけどね。
****
「小夏」
「なんじゃ」
「神球に天国と地獄を作ることにした」
「そっか」
この結果が良くなるかはわからないけど…? わたしが創った事になるのかな?
わたしが地獄に行った時の為にお目溢しとして
蜘蛛の糸を追記しといた方が良いかも…
****
今日は枝垂れ桜を4人と1匹で見に来ている 猫は玉ちゃんの頭の上に座っている いつの間にかすっかり仲良しになっている…側から見たらトーテムポール状態だ。
「新芽が出できてるね」「そうじゃのう 楽しみじゃのう」
「あらあら其れはお花ですか?其れとも」「どちらもじゃな」
「ふふ また桜の下で…今年はお酒もあるんだっけ」
「良いな其れ」
この世界に来てもうすぐ1年 あの頃には考えられないほどの街並みが広がっている。
ミハエルが教国に相応しい大聖堂をと懇願して来た…わたしは最初に建てた教会で充分と思ったのだが「あそこは小梅様の聖地 特別な場所 何より民の者は目にする事も叶わない場所になっております」
確かに小梅の家は外からは見えないのだ まぁプラムにもまだまだ土地は余ってるしね。ジョゼフに頼もうとしたら「是が非にも神の奇跡で…」と まぁ良いけど わたしは地球の記憶を頼りに創造した…出来たよ立派なのが ついでなので天国を模した壁画を壁一面に施した。
ミハエルが感極まり涙していた…炉利エルも聖職者なんだなと改めて思ったよ。
「此ラッパを持った羽のある子供は?」「天使だね」「天使とは」「神に使える者、神の言葉を伝える者だね」
確かそんな感じだったかな?
「天使になりたい」…おっさんの天使なんて要らないから!
執務室で許可証にハンコを押しているとジョゼフがやって来た。
「ガハハハハ 神よ鉄鉱石を掘っていたら熱湯が出て止まら無くなってしまいましたわいガハハハハ」それは大変な事ではガハハ「怪我人は?」
「数名出たのですがルル殿が治して下さいましたわガハハハハ」「今も出ているのですか?」「天高く噴き上げてますわいガハハハハ」
笑い事じゃ無いでしょ「シャーゼ リーゼ 直ぐに向かいます ジョゼフ案内をお願いします」
此れは…『神様!温泉が噴き出てるのだけど この大陸にも火山があるの?』『休眠火山だな』『休眠火山?』『大陸作るのに火山が必要だからな』そうなんだ…でもどうしよう30mは噴き上げてる このままだと温泉の湖になっちゃうよ『来ちゃった』『あらあら 凄いはね』『どうしよう』『海の方へ流すしか無いだろうな』
わたしは海の方へ流れるように岩を堀り進めた、鉄鉱石が出る山だけあって岩ばかりだよ!
『海は大丈夫だろうか』『この程度の事些細な事だよ星にとって』
其れもそうだね。
『どれ わしが適当な所で温泉が入れる場所を作ろう』
丁度海水と温泉が混ざり合っていい具合の温度になったよ!
「流石だね小夏」「まぁな」 温泉も良いし眺望も絶景だ前は海で背後には噴き出す温泉の噴水 此処に温泉街を作っても良いかもね。
どうせ管理する人を置くことになるだろうから
こうして新たな街 温泉の都が誕生した。
…誰に任せるかだが…鉱山でもあるしドアーフのオーウェンに任せる事にした。
其の後日本人の侘び寂びを小夏から叩き込まれる事になる…
頑張れオーウェン…オーウェンだけに…。
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唐突な温泉街の出現に バタバタしてる間に桜の木が満開になっていた。 今日は新しい街の誕生祝いを兼ねての お花見幹部会だ!
今年は小春も料理を手伝ってくれて お酒もある みんな大賑わいの宴会だ。オーウェンは酔っ払いの小夏に捕まり おもてなしの心を教授されている。
「違う何度言ったらわかるのじゃ…お、も、て、なっし、じゃ」おもてなしは言い方じゃないけどね。
最初は2人きりの生活から始まり随分賑やかな生活になった。「ふふ」小夏が一緒でなかったら きっとわたしは 今でも ぼっちだっただろう。
まだまだ神球の意識改革は始まったばかり…多くの人がこの星に生まれて良かったと思える日まで、わたしも頑張らなくっちゃ
来年もこうして桜が見れるように。




