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第31話 腐った果実

慌ただしい ひと月だった…。「ニャー」「ごめんね騒がしかったでしょう…そう言えば久しぶりね」あなたも何処かで忙しくしてたのかな?

「はい 食べて」「ニャー」「ふふっ」「小梅 小夏 ご飯にしましょう」

「はーい」「小夏カブトご飯に行くわよ…半蔵クワガタも食べてく?」

「いえ小梅様 私めは此れにて」 …手を絡めた…ドロン…?詰所の方へ…?歩いて行くのかよ!


「おはよう ユーリ…?」「おはよう小梅」「なに?其の紙の山は?」「要望書よ…全部小梅の決済待ちよ」「…わたしの…?…なぜ?」「なぜ?じゃないわよ あなたこの国の王様でしょ!」

 …ユーリに怒られた。


わたしは詰所を増築した…執務室を「どうせなら 街が見渡せる方が良いよね」「お待ち下さい小梅様」「なに?シャーゼ」「小梅の執務室ですので詰所の1番奥が適切かと」「どうせなら街が見渡せて明るい部屋が…」「窓などいりません」…?「このマロン教国で小梅に危害を与へようなどする者は居ないとは思いますが 万が一が御座います」 続いてリーゼが「罪を犯させないのも また君主の勤め」で裏庭側に執務室を作った 此方側(こちらがわ)なら窓も許して貰えたよ。


 机の上には2つの山が…バッカスからとミハエルからが分けられていた。「あの2人が決済すれば良いのに」「勿論2人が決済してるわよ 此処にあるのは2人には判断できない物が来てるのよ」

 ユーリにまた怒られた。


 小梅丸印を作り許可する物には捺印 しない物は差し戻しと分けるそうだ。


 どれどれ…まずはバッカス…

此方の街までの街道整備をして欲しい…捺印!

洗い場を街中まちなかに設置して欲しい…捺印!

そうだよね人が増えたから 色々要望も上がって来るよね…


 ミハエルの方は…ライブを開催してほしい…?

小夏ちゃんと小春ちゃんの握手会を開いて欲しい…

ミハエル…お前の要望かー!

 …街の名前が欲しい…そうよね 名前は必要ね…捺印!


 此れからは 此れが私の仕事になるそうだ。でもわたし達3姉妹が居なくても 建物を建てたり修繕したり街道を整備したり出来なくちゃダメだよね。決してわたしが動くのが面倒だからではない!

「小梅手が止まってるわよ」「はいはい」…何故か3人に見張られている わたし?


「みんな わたし思うのだけど わたし達3姉妹が居なくても家を建てたり直したり出来る人が必要だと…」

「そうね…でも技術を持っている人は王族と貴族に抱えられているわ 平民街の者じゃ小梅達の技術に到底及ばないもの直すのも無理ね」

 …そうなのか…ふと視線を感じ窓を見る…


 あ 目が合った…『あっかんべー!』

 糞カブトめ!


 …今は3時のおやつ休憩中だ4人で執務室にあるソファーで リーゼが入れてくれたお茶とわたしが焼いたクッキーをつまみながら…視線…わたしは手招きをした。カブト虫にクワガタ… てんとう虫が増えていた。

 小春だった。


 要望書が沢山届くのだけど 現状どれも わたし達姉妹じゃなきゃ出来ない事ばかりなの、それではダメだと思うの。

「それはそうなのだけど…」「小梅達の様に作るのは…」

 小夏が口を開いた。

「甘え過ぎじゃな…願えば叶うから願う 叶えてやらなければ妬む…と言う事になるんじゃろ…くだらん。わしなら神法使わ無くとも家も建てられるがな…くだらん連中を拾って来てしまったな」

 小夏が止まらない

「そもそも許可が欲しいと言うならまだしも要望などと…」

「あらあら 小夏その辺で…」皆 俯いてしまった…此処で半蔵が口を開いた。「小梅様 私も意見を申しても宜しいでしょうか」「構わないわ」「ありがとうございます 小梅様 貧民街救出作戦のり 小梅様のおチカラに魅了された私は 少しでも小梅様のようになりたいと願い 小夏様に教えを乞いました」自分から願ったのかクワガタ虫!


「教えられる者が入れば みずから教えを乞う者も現れるのではないかと…」…そうなのだけど 王族と貴族に抱えられているのよね…


「あらあらドアーフを連れてくれば良くて」「ドアーフ?」「確かに神球に出回っている物の多くがドアーフが作ってると聞くわ」「通貨もそうよね」「でも ドラード帝国がそれ程の者を国外に出すだろうか」「ドアーフの名は聞くけど それ以外の情報は皆無よね」「お前達だけでなんとかしろ…ドラードまでは連れて行ってやる」「あらあら ふふっ」


 3時のおやつを経て わたしは要望書から解放された。


「幹部達は全員 会議室に閉じこもったままだ」「半蔵手伝ってやれ」「はっ」消えた!出来るのかよ ドロン!

 って…わたしの隠密なのにー!


****

【その日の夜】


「最近 小春にばかりご飯作らせてしまってごめんね」「あらあら 此れぐらい朝メシまえよ」「夜飯だけにな」

    …

  …

…    

「ニャー…ニャー…」ぷにぷに「ニャー…」「う、うーん おはよう?猫…珍しいわね」猫が家の中まで入ってきていた…?どうやって…?ま、いっか!わたしは猫を抱っこして居間に行く。


「おはよう小春」「あらあら おはよう今日は猫も一緒なのね」「うん…小夏は?」「縁側に居ると思うわよ 昨夜から何やらやってたから」

 …そうなんだ。

「顔洗ったら 朝ごはんにするから小夏にも声掛けてきてくれる」「わかった」「あらあら 猫も一緒にごはんにしましょうね」「ニャー」

 猫を小春に預けて 顔を洗い縁側へ

「小夏ごはん」

 今日の朝食はめざしと芋の煮っころがしにきんぴらだ!

「うーん 美味しい…猫もニャーニャー言いながらめざしを食べてる」

 …なんか喋ってるみたいで可愛い「小夏も美味しいって食べてるよ」

…こうやって普通にしていると綺麗な女の子なんだけどね…

これが普通だよね?「ご馳走様でした」


 …食器を片付けていると「ピンポーン」「小梅おはよう」「シャーゼ リーゼ おはよう」「幹部の話が纏まったので後で3人に会議室まで来てもらいたい」「わかった直ぐに行くね」会議室の席に着くユーリが話し始める


「御庭番達がもたらしてくれた情報によると」…?

「ドラード帝国は現在 王政を引く国で王族30万人 貴族300万人 平民60万人 ドアーフ10万人がいるらしいの 平民とは名ばかりで全員奴隷らしいわ…でその奴隷を束ねて作業しているのがドアーフ」「ドアーフが人間をこき使っているという事?」「わからないわ…ただドアーフと奴隷達は全員要塞の様な建物の中で暮らしているそうよ周りは全て海に囲まれていて さながら離島の様だと」


「なら意外に接触するのは容易いのかな?」「それが島と言うより断崖絶壁になっているらしいわ…昨日あれから今朝まで話し合ったわ…」「で 結論は出たのじゃろ」「ええ 私達には何も出来ない…」


 『あっユーリを泣かした!小夏酷い!』

 『あらあら』『えっわし!』


「ユーリ…泣くな わ わしも悪かった お前達に当たる様な発言じゃった すまぬ」


 『あっ!もっと泣かした!』『えっー』『あらあら』

 『そもそも小春がドアーフを連れてくれば良いと』

 『あらあら』『ごめんなさい』


「半蔵もっと情報はないのか」「申し訳御座いません」「幹部達 己のチカラを理解して無理をしない事も立派な判断じゃ チカラなき者の悔しさを知ることも大切な事じゃ」「ありがとうございます」

 『無理くさくね』『うっ。』『あらあら』


「ニャー」あら着いてきちゃったの?わたしは猫を膝に乗せた…あれ?なに此れ…赤と金色の趣味の悪部屋…あの男…ゲスタフ司祭!…ともう1人…[王様どうなさいますか?][エントールの森のことか][其方が宝があると言っておったのう][あの第3王子が貴族連中を集めては進軍してるんです][そうじゃのう宝はともかくあの国の人口が減るのは困るのう 他所の人口が多い程わしが潤うからのう][そうですとも あのバカ王子が魔物の森に大切な金ずるを連れて行ってるんですよ][わかった 今奴隷島で作らせている船と大砲が出来次第 海側から攻め入る][流石は此の神球の支配者ですな][帰りに其方の国に寄らせるで硝酸と硫酸を頼むぞ][それは勿論ですとも]…此れは貴方の見てきた物なの…「ニャー」…


[王よ人間達の疲労がもう限界です][うむ…同志の中に動けるものは手伝わせろ][我らドアーフも既に3日間昼夜問わず作業してます][このままだと また見せしめに人間達が処刑されてしまう…][我らの分の食料も殆ど人間に回してしまい…][我らならばひと月食わずとも死にはせん…]


 …こ…う…め『小梅どうした』

『…ご ごめんなさい』わたしは猫を撫で…

『ありがとう猫』「ニャー」


「ドラード帝国の状況がわかった それとマロン教国の置かれた状況も」わたしは 今見せてもらった事をみんなに話した。「大砲じゃと…それに硝酸と硫黄とは」「あらあら 楽しくなりそうですわね」「小春お主は また其のような事を」


「あの司祭がドラード帝国に行っていたとはな」「デリーゼ帝国に硝酸と硫黄があるの?」「あるじゃろな火山があるからのう」「大砲ってなんだ?」「大砲とは火炎みたいな物じゃ神法を使わずして攻撃するものじゃ」「攻撃…」「案ずる事は無かろう 大した威力は出せぬよ」「そっか」「そもそも出航も出来んじゃろ…な 小梅」


「うん 腐った果実は握りつぶす」


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