第21話 エルフの集落…怒れる精霊!
「ザァッ…ザクッ…ザァッ…ザクッ…ふぅー」
汗を拭うわたしは、今詰所の裏に来ている。
「こんなもんかな…」裏庭を作った 此処で月に1回 お茶会を開こうと思っている 。
最初のお茶会には 紹介もかねて シャーゼさんを招く予定だ。 エルフの集落がマロン教国にある事は まだ誰も知らない。庭いじりなんて前世では夢のまた夢だった…。
「おーい!小梅ー!団子じゃ」
「あらあら また随分と上手に出来ましたね」
手渡された2人から…どうしろと?
「わーっ お ・い ・し ・そ ・う?」
「じゃろ」
わたしが掘った 泥山へ走って行く2人…ふふ。全力で今を楽しんでる そうねわたしも今を楽しまないと。…後ろに何か落ちた…紙?…。(泥おんな!)誰が泥女じゃ!泥神!
****
テーブルとティーセットを用意して 後は みんなが来るのを待つだけだ。
シャーゼさんは神様に迎えを頼んだ。どんよりと歩き出した…《《はよ行け》》!
ミハエルにも迎えを出した小春を…断腸の思いで…。何故2人に向かいを頼んだかと言うと神の誓約書だ。 此れからは親衛隊4人とミハエル、シャーゼを この国の幹部とする事にした…役職とかは決めてないけど、他に幹部たちの補佐1名を招待した この人達にも誓約書にサインしてもらう。…半ば強制だが嫌がる人は誰も居ないだろう…。
今回の誓約書は詰所から内側の事に限定している。住民にマロン教国から出れる者は居ないからね!
「小梅 お招きありがとう」
「小梅様…チラッ 実に良い庭ですな…チラッ」
「わたし入ってもいいんですよね…ね」
「ガヤガヤワイワイ」
「さぁみなさん席に着いて」
補佐達が戸惑っている 各々の上役横に座って貰った。
「みなさんお集まり頂きありがとう 今日は第1回 マロン教国 幹部達のお茶会を開きます」
…其の言葉にみんなが口を開く。
「幹部?俺達が?」
「今更何を言っているの?」
「わたしと共に教国を発展させて下さいね」
「嫌ですか…デク?」
「はは 幹部なんて柄じゃないが 俺は小梅の男だからな!…あっ…あれ殴られない?」
「小梅様…小夏ちゃんが居ない…」
ルルの視線の先に空いた席が3つ。
「新しいメンバーを紹介します」
どうぞ…コツっ!神のゲンコツが炸裂した!
皆が驚愕してるなか、
「戯けが お前に小梅はやらん!」
「痛たた!久々の衝撃」
痛がりながら頭を掻くデクに新メンバー達が驚愕している。
「あらあら 騒がしくてよ小夏 みなさんも早く慣れてくださいな」
その言葉に青褪める新メンバー達…あっひとりだけ デレデレのロリ神父がひとり居た!
騒ぎが収まった所で「姿を見せろ」小夏が言うと初めから其処に居たかの如く2人のエルフが姿を現した…初めから居たんだけどね!
その姿に この場の男共がまたもや驚愕した。…違う意味でね。
「なっなんと美しい…」
「本当に居たんだ…」反応が皆 一緒だよ!
…そんな中…ミハエル…あんたはブレないねー
「お初にお目に掛かる 縁合ってマロン教国に住まう事になったシャーゼと申すエルフの長を務めている…よ、宜しく頼む」
流石のシャーゼも 男共の視線にドン引きしてるよ!
ユーリとルルがそんな男共を殴り飛ばして行った。 ユーリとルルも強くなったね 。男共は詰所の外まで飛んでいった!残ったのは女達とミハエル…ある意味凄いなミハエル!
「今日は予定を変更して女達の(&ミハエル)お茶会にしましゃう」
「す、すまぬ 小梅様」
「シャーゼが謝ることは無いですよ」
「サキ詰所を閉鎖しときなさい!」
「はい!直ちに!」
「あいつは補佐から降ろす」
ルルの補佐は男だった…短い幹部だったね名も知らぬ男よ…。
こうして第1回女達(&ミハエル)のお茶会は楽しくお喋りをして終わった…。暫くは此のメンバーだけのお茶会だ 因みにシャーゼの補佐は副長のリーゼさんだ。とても慎ましい女性だ…色気は慎ましく無いが…。
****
シャーゼが手土産で 先日の緑茶と蜂蜜を持って来てくれた!
「あの甘味ははちみつだったのね…?」
『神様』
『なんじゃ』
『この世界にも昆虫がいるの?』
『いるな』
『わたし見た事無いんだけど』
『この世界の昆虫は人に近づかないからのう、神法で皆んな駆除してしまうので 寄り付かなくなったのじゃよ』
『そうなんだ』
『じゃあ はちみつは貴重だよね』
『じゃな、エルフしか持っておらんよ』
「シャーゼ 田んぼの方は如何かしら?」
「はい 精霊が言うには ある程度の四季があった方が良いと」
「四季か…」此れはどうしようもないか…。
『出来るぞ 結界内限定ならば』えっ!
『神球全体じゃと影響が計り知れんが 結界内なら問題無かろう』
『そうなんだ』
「シャーゼ四季の事は此方でどうにかしますので心配しないで」
「ありがとうございます」
「他に問題はない?」
「其れが…大変申し上げ難いのですが…」
「構わなくてよ 聞かせて下さい」
「はい、人間に対してよく思ってない者が多く…中でも活気盛んな者共がいまして…」
それはそうだよね 長年人間は敵として来ているのだから 実害も出て居たのでしょうし…。
「其の者共が人間が神を誑かし我等から搾取しようとしていると…」
『あらあら 誑かし ある意味合ってるわね ふふ』
えーっ!わたしが!『わしは誑かされたりせんぞ!』
ですよねー『甘やかして居るだけじゃ!』それもどうなのよ!
『小夏は小梅に甘いから ふふ』
『創造主のわしに意を説くとは…エルフ共め!』
「100年前のマロン様の厚意の計らいを知らぬ者達なのです」
100年前!…シャーゼって⁉
「其の者達は集落から追放しようかと…」
「追放されるとどうなるの?」
「孰れは 人間に利用され奴隷落ちになるかと」
この世界には奴隷が!…いる…。
「シヤーゼわかったわ よく話して下さいました」
「追放は待って頂けます 明日わたしが出向きますから 集落の者達にはわたしが行く事は言わないで下さい」
『小梅は また…捨て置けば良いものを…わしも行こう』
『あらあら 小夏が一緒に行ったら 本性を表さなくてよ』
『じゃが…』
『あらあら 本当、心配性ね 私が付いて行きますから』
『え ええ!』なんか怖いんですけど…。
『小梅 顔に出てますわよ』
****
わたしは今 エルフの集落の前にいる…。
****
「本当にわしが付いて行かんで良いのか?」
「あらあら 彼方さんが警戒なさるでしょ」
「ゔっ…。小梅 小梅は わしに付いて来て欲しいじゃろ!」
「それはそうだけど…」
「ほらみろ」
「小夏が行ったら ただの訪問になるでしょう」
「やじゃ!やじゃ!…」
紆余曲折あって2人は姿を消して横にいる…。
刺されても刺さらない筈なのに 刺されたら痛いぞ―っ との事だ 痛みは有るらしい。わたしは意を決して…意を決したのは集落に入る事では無い……。
結界をすり抜けた…。
「誰だ!…お前か何しに来た!」
おやおや、いきなり交戦敵だよ…。あれ?わたし唯の人間だと思われてる?そうだよね集落の引っ越しの時も そこに居ただけだったし…。はい、チーズ!は わたしがやったはずなのに…。まぁ人間なんて眼中に無いんだろな、でも余り交戦的な言動は辞めてもらいたい…。
既に爆発しそうなのが居るんだから!
「田んぼの様子を見に来ました。ご案内して頂いても」
「チッ!俺様が人間の案内を…」
舌打ちしたよ!でも案内してくれるんだ。
「着いたぞ 此処から先には入るな」
いやいやわたしの田んぼだし いつも縁側から見てるし(此方側からは縁側は見えないけどね)
わたしが座って水路を覗き混んでいると 案内したエルフが何やら合図してたよ。 手を大きく振って…おいっ!
程なくゾロゾロと若い男が30人てか、多いな 若く見えるだけで100才超えてるんだっけ?
「神を誑かし我らが長をも拐かした人間風情が 1人でのこのこと」
そこで終わりか!飛んで火に入る夏の虫でしょ!
『小梅口に出てるわよ』
「我らを虫扱いか!」
いやいや わたしが虫の方でしょう、笑。
『あらあら 小梅楽しそうね』
『小梅ーもう此奴ら火炎で消し炭で良いじゃろ』
『小夏それって飛んで火に入る夏の虫に掛けてるよねー』
『おう、わかったか』楽しそうだな 神!
『なんかもうアホらしく成って来た』
30人のエルフが1人の人間の娘に槍を一斉に突き立てた…。
すり抜けた!
「な、なんだと!」
「はぁー幻術なんてエルフの十八番でしょ?」
「だっ黙れ!傲慢で薄汚い人間が!」
もう殺意有り決定だよね。
「あらあら 傲慢ですか?」
小春が姿を現した…後ろで 『ずるーい!』と喚く声は今は無視!
「精霊様!」
「精霊のチカラを自分の物と勘違いしてる愚か者が!寄りによって小梅姉様に傲慢などと!」
『神様神様』
『なんじゃ』
『小春さんが止まらない』
『止まらんな』
「精霊のチカラを借りなければ人間にも及ば無い小童が! 今後一切のチカラを精霊桜の名により禁じます。素の己の姿で此処から立ち去るが良い!」
小春が扇子を一振り全員集落の森へ吹き飛んだ!
「さぁ帰りましょう姉様達」
『神様神様』
『小春を怒らせちゃ駄目だよ』
『駄目じゃな』
****
「お主なかなかやるのう」
「あらあら 其方もなかなかでしてよ」
「パパーン!」
神たちはチャンバラごっこに夢中だ…。効果音付きで その新聞丸めた棒は何処から出したんだよ…。
「ピンポーン」「わしが出るー!」
「ダダダダっ」 落ち着け神!
「小梅ーユーリが其方に要らしいぞ…」
何落ち込んでる!
「小梅 こんな時間にごめんなさいね」
「どうしたの?」
「シャーゼとリーゼが尋ねて来てるわ 神妙な感じで」
「なにかしたの?」
「小夏 小春 シャーゼとリーゼ が来てるって わたしは合ってくるけど 貴方達も行く?」
「行かなーい!」「はっ!真剣白刃どり…」「痛っ!」
「お待たせしました」
「夜分にすまぬ…」
「どうしました?」
「教祖様に刃を向けた愚か者共を 今は縛り上げて吊るしています」
「今後 いかように取り扱えば良いのかを伺えれば…」
あっ!いけない追放を待って貰って其の後の事、何も言って無かった! わたしも今の今まで考えて無かったよ!
うーん「明日集落の人 全員集められる?」
「それは勿論」
「でわ、其の場で沙汰を言い渡すと皆に伝えて」
口調が時代劇に引きずられるよ…。
****
わたし達姉妹 3人で群衆の中を歩いて行く…。両手に花で…左は…団子か?
群衆の先に吊るされた?『こんなお爺ちゃんだったっけ?』
『あらあら 精霊の加護を無くせばこんなもんですよ』
『そうなんだ』
「「お前ら何を突っ立っている‼教祖さまの御前だぞ‼」」
リーゼだ! なし崩しに膝まづくエルフ達……。
『此奴らやっぱすかん!』『あらあら』
わたしは吊るされたおじいちゃん達を背に群衆の前に立った。左手を腰に右手をピストルに頭上へ!
「火炎BAN!」
「「「ズドーン―――!」」」「「「ゴ――ンゴ――ン」」」
あれ、前より凄くない?
『ほう此れは他の大陸にも見えてるかも知れんな』
おじいちゃん達 大丈夫だったよね…うん 大丈夫だ。地響きが鎮まり返ったのち口を開く。
「この者達は解放する わたしが気に入らなければ 何時でもかかってくるが…」PON!「痛っ!」
「はっはっはっは お主もまだまだよのう」
小夏だ ! わたしは小夏の持つ新聞剣を奪い取り振り下ろした…!
「真剣白刃」「「スパンッ‼」」「 痛っ!」
静寂の中わたした達は帰路に着いた。(ぴゅう~る、ぴゅう~)背中に木枯らしを感じつつ…。
****
シャーゼとリーゼ が後の話をしに来ると言うので 裏庭(詰所の)でお茶会にした。今日はミハエルぬきの本当の女子会だ 皆が席につき
「第2回女子会にようこそ 今日は特別な茶菓子もありますから楽しみましょう」
そうなのだ!牧場が出来 ミルクもチーズもアイスも作れるようになったのだよバニラが無いんだけどね…、どっかに無いかな?
『あるぞ』えっ!
『元々エルフの集落に合ったものだからのう』
『そうなんだ』
『…わたし また喋ってた?』
『お主の欲望はダダ漏れじゃわ』
パンケーキにホイップクリームのせなのだよ!小豆があれば あんこもいいよね 其の内なんとかしよう!
あのお爺ちゃん達は集落の雑用をしてるそうだ。 わたし達が帰った翌日からエルフの子供達の間では チャンバラごっこが流行っているそうだ。子供は逞しい…新聞剣は何処から手に入れたんだ?
…目を逸らしたな 神!
何でも反則技まで既にあるそうだ!その名が BAN!
「小梅様この度はありがとうございました」
シャーゼとリーゼ が頭を下げる。
「いえ 元々は わたしが撒いたタネとも言えるのだし」
「決してその様な事はありません あのままサテライトにいたならば人間達との戦闘は避けられ無かったでしょう…改めてエルフ長シャーゼ 小梅様への忠誠を誓います」
「あらあら お姉様 人気者ですわ」
「そうじゃろそうじゃろ わしの姉だからな」
「シャーゼ リーゼ 2人共ありがとう…小梅様はもう辞めて」
「なんとお呼びすれば…」
「小梅で良いわ」
「それは…」
「わたし達はもう友達なのだから」
「…はい」
其の後 シャーゼとリーゼ はパンケーキに目を真ん丸にしていた。やっぱ女の子は甘いもんに目が無いよね!
「小梅様エキスが足りない…」
と呟いている ルルを横目に楽しいお茶会は続いた…。




