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第五章:猟師と竹槍

(横網河岸の、竹藪……)


 七兵衛の頭の中で、全ての線が繋がった。


 あの日、柳原で受けた槍。あの手応えは、やはり竹だ。

「竹槍」


 侍が竹槍など使うものか。百姓か、それに近い者だ。

 なぜ竹槍か。使い捨てられるからだ。

 だから、民次郎たちに竹藪を見張らせていた。


 そこへ、紺屋の長三郎が「猟師の作さんが竹藪に入った」という証言を持ってきた。

 狐を追う? 嘘だ。竹を切りに行ったに相違ない。


 そして、あの腕前。

 百姓の猪突き槍にしては、鋭すぎた。だが、相手が熊や狼を仕留める「猟師」ならば、あの正確な突きもうなずける。


「……そいつだ」

 七兵衛は、岩蔵、民次郎、寅七の三人を集めた。

「本所の木賃宿に泊まっている甲州の猟師、作兵衛さくべえを召し捕れ。そいつが槍突きだ」

「へい!」

 三人が勢い込んで飛び出していった。


 十月なかばの短い日は、あっという間に暮れた。

 お兼の用意した夕餉ゆうげ――かぶの味噌汁と、塩鮭の焼いたもの――を食い終えても、三人は戻らなかった。

(相手が留守か、手こずっているか)


 七兵衛が様子を見に家を出ようとするところへ、勘次が一人でやって来た。

「親分、申し訳ねえ。富の奴が持病の疝気せんきで動けねえと……」

「正直な奴だ。ちょうどいい、本所まで御用だ。お前も付き合え」

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