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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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33/35

氷山の下で・第一部

ひゅうう…ひゅうう…

ざあん…ざあん…

優しい風が吹き抜ける中…

波が次々と岸に打ち寄せ…

黒い岩の間から白い泡が現れ…

ちゃぽん…ちゃぽん…

長い列の人々が、連なって…

そっと水に箱を浮かべ…

視線を海に向け…

たっ…たっ…たっ…

一人の人影が海岸へ駆け寄る…

……

「やあ!」リクオが振り返る

「来ないかと思ったよ?」

はあ…はあ…

「…………」ハヤサキの目が大きく見開かれる

「どうして……」ハヤサキがリクオを振り返る

「どうしてあなたたちは、こんなことをするの?」

「どうしてって?」リクオが海を振り返る

「これが当然のことじゃないか?」

「敵であっても、せめて家に帰る権利はある!」リクオの唇に笑みが浮かぶ

「ここで道徳ごっこをするんじゃない!」ハヤサキが顔をしかめる

「あなたたち人類の本性はいつもそうだ!」

「口だけは上手いけど、行動は別だ!」

「…………」リクオがハヤサキを振り返る

「なるほど……」リクオが手を顎に当てる

「君……あの時のガキだったね?」

ぎゅっ…

「何を言ってるの?」ハヤサキが拳を固く握る

「知ったかぶりしないで!」

どす…どす…

「ただの利己的な種族だ」ハヤサキがリクオに詰め寄る

「名誉欲と利益欲ばかりで、何が分かるって言うの!」

「イカリ……」リクオが唇を軽く動かす

ぴたり!

「…………」ハヤサキの目が大きく見開かれ、足が止まる

「今……何て言った……?」

「やっぱり君はあの時のガキだ!」リクオが微笑む

「教えて……」ハヤサキが顔をリクオに近づける

「どうしてその名前を知ってるの?」

「どうして何年経っても、知ってる人がいるの?」

「もう明らかだろう?」リクオの目が突然赤く変わる

「あなた……そこにいた……」ハヤサキが後退する

……

すっ…

「今はもっと重要なことをするべきじゃないか?」リクオが箱を指す

「そんなものどうでもいい!」ハヤサキが手を振る

「教えて!」

「一体何が起きたの?」

「もう明らかだろう?」リクオが都市の方を振り返る

「ガキの君が想像してみろ、あの怪獣……」リクオが怪獣に視線を向ける

「見覚えがあるだろ?」

「…………」ハヤサキが硬直する

「まさか……」

「あいつが戻ってきた」リクオがハヤサキを振り返る

「今度は前回みたいに簡単じゃないよ」

「だから早く行きなよ!」リクオが海を振り返る

ちゃぷ…

一歩ずつ大洋へ向かい…

水面が徐々にハヤサキを飲み込む…

「…………」ハヤサキがリクオを振り返る

「次に会う時は、全部教えて!」

「イカリ様のこと、あの戦いのこと……」

「あいつらのクソ野郎ども……お嬢様の家族のこと……」

「そして……あの巨大AIども……」ハヤサキの目が丸くなる

「突然蒸発したあの武器……」

ははっ!

「もし君がその時まで辿り着けたら……」リクオが微笑み、ハヤサキを振り返る

「……俺が知ってることは全部話すよ」

ちゃぷ…ちゃぷ…

ハヤサキの姿が徐々に海に溶けていく…

……

「さて……」リクオが怪獣を振り返る

「報告の準備でもするか」

「歴史を繰り返すわけにはいかない!」リクオの唇が軽く動く

………………………………………………………………………………………………………………

ギュイーン…

小さな火花があちこちに飛び散り…

音が空間に響き渡り…

のこぎりが怪獣を連続して切り続ける…

ガンッ!…ガンッ!…ガンッ!…

怪獣の体に張り巡らされたワイヤー…

白い服の人影たち、汗を流しながら…

一撃一撃のハンマーと、緊張した視線…

ドガァン!…

埃があちこちに舞い上がり…

レンガの塊が四方に吹き飛び…

黒い石の塊が怪獣から落ちてくる…

………………………………

ぱっ…ぱっ…

「まったく……」レンが体を払う

「いきなり人を連れてきて、ろくに説明もしないで」

「アタメちゃん……」カオルが顔をアタメに近づける

「シンを見つけてって言ったのに、どうして……」

「……こいつを……」カオルの視線がレンにちらりと向く

……

すっ…すっ…

アタメの頭の小さな髪の毛が…

レンを指し続ける…

「でも、アタメは正しい人を見つけたよ?」アタメが首を傾げる

「姿も似てる……」

「レーダーもそう言ってるよ?」

……

「ちょっと……」レンが腰に手を当てる

「私を無視しないでよ!」

「ごめんなさい!」ミヤビが胸に手を当てる

「ちょっとした小さな誤解があったみたい!」

「許してね!」

「…………」レンが首を傾けて見つめる

………

そっ…そっ…

一人の人影が突然近づいてくる…

すっ…すっ…すっ…すっ…

アタメの髪の毛が…

今、別の方向を連続して指す…

がさっ…がさっ…

「本当に運がいいよ!」青年が微笑む

「こんな戦場の中で……

「これを見つけるなんて!」視線が手に持った白い袋に向く

どす…どす…

「シン!!」カオルが青年に駆け寄る

「今までどこに行ってたの?」

「みんなが探してたの知ってる?」

びくっ!

「カオル?!」シンが後退する

「ここで何してるの?」

「もう帰ったんじゃないの?」

「誰のおかげでまだ帰れてないと思ってるの!」カオルが目を細める

「さっさと報告書書いて帰りなよ!」カオルが体を起こす

はぁ…

「また書かなきゃいけないの?」シンが体を伸ばす

「面倒くさいよ!」

「いつもみたいにお姉ちゃんに書いてもらえないの?」シンがミヤビを振り返る

「先輩に頼りすぎ!」カオルが顔をしかめる

「ミヤビ先輩は君のために援軍を手配するだけで大変だったんだから!」

「でも……」シンが目を丸くしてミヤビを見る

「何書けばいいか分からないよ?」

「お姉ちゃんの方がこういうの慣れてるし!」

ふっ…

「今さら書きたくなって罰を受けたいの……」ミヤビが微笑み、首を傾けてシンを見る

「それとも一気に全部まとめて罰を受けたい?」

「この馬鹿な弟は……」

………

そっと…

「あの……」レンが軽く手を挙げる

「もう行っていい?」

「ごめんね、すっかり忘れてた!」ミヤビがレンを振り返る

「どうぞご自由に!」

……

そっと…

石の上を軽い足取りで…

レンの姿が徐々に離れ…

シンの横を通り過ぎ…

…...

「弟はさっさと報告書書きなよ!」ミヤビがシンを振り返る

「でも何書けばいいの?」シンが怪獣を振り返る

「大事なところはお姉ちゃんが全部書いちゃったし!」

「今回の怪獣、前と変わらないよ!」

……

すっ…

レンの足が突然止まる…

視線が怪獣の死体を見上げる…

……

「残ってるのは……」シンが唇を動かす

「そうか!」

………

「弾薬が全く効かない!」レンとシンが同時に言う

「それに周囲に電気を放つし!」

「しかも回復も早い!」

「へ?」シンがレンを振り返る

「どうして君が……それを知ってるの?」

「だってその時私もここにいたんだよ!」レンが腕を組み、微笑む

「確かにあの時は危なかった!」レンが唇を軽く動かす

「何やってもダメだった!」

「なのにどうしてホシマさんがどうすればいいか分かったんだろう?」

「待って!」シンが目を大きく見開いてレンを見る

「まさか……あの日のメック……」

「君が……中にいたの……?」

「まあそうとも言える!」レンがシンを見て、軽く頷く

……

がしっ…

「君の操縦はすごかった!」シンがレンの両腕を掴む

「あんな状況でよく操縦できたよ!

「しかもすごく上手だった!」

ふふ…

「普通だよ!」レンが腰に手を当て、胸を張る

「あれ操縦するの、私がいつもやるゲームより簡単だったし!」

「すごい!」シンが目を丸くする

「俺は何ヶ月かかってやっと操縦できたのに!」

「君、相当高い軍階級だろ?」

「もしかしてエギスのパイロット候補のグループに入ってる?」

「軍階級……エギス……」レンが首を傾けてシンを見る

「そんなの無いよ!」レンが微笑む

「私はただ友達を守るために乗っただけ!」

「ちょっと待って!」シンが体を起こす

「つまり……

「君は軍人じゃない?」

「うん」レンが頷く

「エギスの候補でもない?」シンが体を傾ける

「うん」レンが頷く

そっと…

「まさか……」シンが目を細め、軽くレンを指す

「……あれが初操縦だったの?」

「そうだよ」レンが微笑む

………

どさっ

「何だって?!」シンが倒れる

「カオルちゃん……」ミヤビがカオルを振り返る

「はい」カオルが軽く頷く

……

とん…とん…

「失礼……」カオルがレンに近づく

「でもこれ頭に着けてもらえる?」カオルが輪をレンに差し出す

「ああ……いいよ……」レンが軽く輪を頭に置く

……

ピピピ…

計算機が連続して点滅し…

レンの頭の輪が黄色く点滅し続ける…

数字が連続して上がる…

「ミヤビ先輩……」カオルが計算機をミヤビに差し出す

「この数字……」

「だからアタメが間違えたんだ」ミヤビがレンを振り返る

「どうしましょう?」カオルがミヤビを振り返る

「決まってるでしょ!」ミヤビが微笑む

……

たっ…たっ…

「君はレンだよね?」ミヤビがレンに近づく

「そうだよ」レンが軽く頷く

「パイロットになりたい?」ミヤビがレンに手を差し出す

……

てく…てく…

一人の人影が近づいてくる…

馴染み深い黒髪で…

「それは残念ながら無理ですね!」黒髪の少女が近づき、軽く微笑む

「君の友達が待ってるよ!」

「ホシマさん?」レンが振り返る

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