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静時の流れ - 潮騒の誓約  作者: Minateru
残響の果てに

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18/35

枚のコインの両面

ワーッ!キャーッ!わいわい…

車がゆっくりと街へ滑り込み、無数の視線が突き刺さる

ワーッ!キャーッ!わいわい…

道の両側に並ぶ人垣、みんながこちらを見上げる

手を振る人、追いかけてくる子供たち、空に翻る旗

「おい見てみろよ! みんな俺たちを迎えてくれてる!」蓮が興奮して振り返り、満面の笑みで窓にへばりつく

「アホなの? 誰が私たちなんかを待ってるわけ?」ねねが腰に手を当てる

「本当だって! 信じないなら来て見てみろよ!」蓮が指をバタバタ

「本当にだ! でもこんな大勢どこから……?」篠見が窓に手を当てて顔を出す

「ほんとバカばっかり……きっと祭りか何かでしょ! 私たちを待ってるわけないじゃん」ねねも無理やり窓に顔を突っ込む

そして歓声の中、一つの小さな影が必死に車を追いかける

見慣れた腕が、人波の中で上下に揺れる

「あれ……圭!? なんでここに……」俺は固まり、窓に飛びつく

後ろの人垣の間を、小さな頭が波のように上下に

………

でも、窓を見ているのは俺たちだけ

残りの全員は、固く握りしめた両手を下に向けていた

………………………

キキーッ!ギギッ… ドンッ!

タイヤが止まり、ドアが大きく開く

朝の光が俺たちを照らし出す

そして無数の視線が一斉に上がる

「みんなー! 帰ってきたよ! 早く降りよう!」ねねが飛び跳ねる

クハハ!

「ねねがそんな反応するなんて!」蓮が指をさして爆笑

「べ、別に! うるさい! 蓮こそ偉そうに!」ねねが顔を真っ赤にして腕を振り回し、蓮に迫る

「まあまあ、どっちでもいいじゃん!」俺は両手を広げる

「黙れ変態!」二人同時に睨む

「もう終わったんだし!」篠見が微笑む

「そ、そうだな……じゃあ!」蓮が顎に手をやる

「……最後に降りたヤツは今日の飯おごりな!」蓮がドアへダッシュ

「ちょっと待てズルい!」ねねが追いかける

「行こっか、春くん」篠見が手を差し出し、にっこり

「うん……行こう……」俺はそっと立ち上がり、後に続く

「煌花さんは?」俺は煌花を見る

返事はなく、頬を膨らませて睨むだけ

「すみません……煌花……この後どうするの?」俺は頭を掻く

「私には行かねばならない場所がございます。十神様は先にお行きください!」煌花が微笑む

……

俺たちは嬉々として車を降りる……

けれど、俺たち以外は誰も先に降りようとしなかった

………

「よし、ガキどもは降りた」黒鉄さんが立ち上がる

「諸君……行くぞ!」

そして兵士たちがゆっくりと後に続く

………………………………………………………………………………………………………………

「んーーーっ!」

「やっと地獄の旅も終わりだ!」蓮が大きく伸びをする

「そうだよね〜こんなに色々あったのに!」ねねも両手を天に伸ばす

「てか春、最後降りたよな? 今日の飯おごり決定〜」

「えええ……でも俺……」俺は伸びをする

「大丈夫だよ春くん。私も出すから」篠見が肩に触れる

……

わいわい……ざわざわ……

どどどどっ…

「きたー!」…「おかえりー!!」

キャッキャッ、ガヤガヤ……わーっ!…!やったー!!

兵士たちが地面に足を踏み入れた瞬間、人波が押し寄せる

子供たちが駆け寄り、大人が兵士に抱きつく

満面の笑顔が溢れる

たたたっ……とととっ……

突然、慣れた影が俺に向かって突っ込んでくる

ぱっ——ぎゅっ!

小さな体が俺の胸に飛び込み、ぎゅっと抱きしめる

「お兄ちゃんのバカ! なんで……」

「なんで……妹を置いて……行っちゃうのよ!」服に涙の染みが広がる

「圭……俺……」

「何も言わないで! もう……二度としないで……ね?」圭が顔を上げ、目尻に涙、頬を伝う水路

「わかった……約束する!」俺は圭の頭を優しく撫でる

「もう絶対置いてかない!」

「今度こそ本当? いつもみたいに嘘じゃない?」

「本当だ……もう行かない……」

「じーーーっ」

「春、この女たらく! 家族までハーレムに入ってんの?」蓮が唇を噛んで地面を踏み鳴らす

「蓮、それは……違うって……」

「もしもし警察ですか? ロリコンが野放しになってます!」ねねがスマホを取り出す

「違うって! また誤解されてる!」俺は両手をバタバタ

「圭、言ってくれ! 誤解だって!」

「えへへ……」

圭はニコッと笑うだけ

……

「普段から私にもそうしてくれたらな……」篠見が指を口に当てて呟く

「何か言った? 篠見?」

「何でもない! ふん!」頬を膨らませて横を向く

……………………………

歓声と笑い声の中

温かい抱擁と騒ぐ子供たちの中

…………

「どういう意味だアアア!」

突然の怒号が全てを切り裂く

視線が一斉に遠くへ

「どういうことだ! そんなことがあり得るわけない!」

男 Brunner が黒鉄さんの襟首を掴む

「残念ですが、それが事実です」黒鉄さんが帽子をかぶり直し、目を隠す

「受け入れろって言うのか? 当然だって言うのか?」男の顔に皺が刻まれる

「俺の息子が戦場に永遠に残されたって言うのか!」

「ふざけるな! なぜあいつが残されて、お前らが帰れるんだ!」男が黒鉄さんを突き飛ばそうとする

「お前が隊長だろう! 最初に残るべきはお前のはずだ!」

「奴じゃない! 俺の息子じゃない! ただの無位の兵士だ!」

「申し訳ありませんが、我々は全力で……」

「全力で何だ! 俺たちが骨身にしみて働いた金で遊んで、息子みたいな無位の兵を捨てるのか!」

「俺たちは何のために……!」男が地面を踏み鳴らす

「落ち着いてください! 我々は……」玲奈が飛び出す

「いいんだ玲奈。続けさせてやれ」黒鉄さんが玲奈の手首を掴む

「役立たずのクズどもが! なぜだ? なぜだ……」

「……なぜ俺を置いてくんだ……この不孝者が……」

「こちらが息子さんがお持ちだった物です。お納めください」別の兵士が現れ、軍服、数枚の家族写真、スマホ、一通の手紙

男は黙り、物を受け取り、目が赤く腫れ、ゆっくりと去っていく

「あの子は無駄死にじゃない!」黒鉄さんが立ち上がる

「あの子がいたからこそ、我々はここにいられる!」

男は足を止め……そしてゆっくりと去っていく

…………

「こちらが回収できた全てです。お納めください」別の声

兵士が、少しお腹の出た女性の前に立つ

「くしゃ……」

女性の膝が地面に落ち、軍服をぎゅっと握る

ぱら……ぱら……ぱら……

コト……カラ……カラ……

小さな遺品が地面に落ちる

……ひっ……っ……

……くっ……はぁ……っ……

顔を地面に伏せ、背中を丸め、髪が全てを隠す

ぽろ……ぽろ……

床に水滴が落ち始める

兵士は立ち尽くし、唇を震わせながらも動けない

…………

「おばあちゃん、パパとママはどこ? まだ見てないよ?」赤い風船を持った男の子が群衆を見回す

「おばあちゃん、パパは? ママは?」袖を引っ張る

「おじさん……あそこの夫婦のことなんだけど……」おばあちゃんが兵士を見る

「申し訳ありません……これが全てです……」兵士が二着の軍服と遺品、厚い封筒を差し出す

おばあちゃんの皺だらけの目が兵士を追う

「ありがとう」

「ありがとう……家に連れて帰ってくれて」おばあちゃんが微笑み、皺の間を涙が伝う

兵士は固まり、帽子で目を隠す

「おばあちゃん、パパとママはどこ?」男の子が袖を引っ張り続ける

「友達のママパパはみんなあそこにいるのに、僕のは?」目に涙が浮かぶ

「大丈夫だよ! パパとママは他のみんなより忙しいだけだから!」おばあちゃんが笑う

「終わったら帰ってくるよ!」

「え、パパとママってすっごく大事な人なの? だからまだ帰れないの?」目がキラキラ

「そうだよ。パパとママはヒーローなんだ。だからみんながもっと必要としてるの」

「うわー! かっこいい! 自慢できる!」男の子が満面の笑み

「そうだよ! さあ行こうか? ここにいると邪魔だから」

「うん!」

そして男の子は手を離す

「風船が……」赤い風船が空へ

「いいよ! 新しいの買いに行こう!」おばあちゃんが手を握る

「やったー!」男の子が跳ねる

とぼ……とん……す……たっ……

こと……こつ……とぼ……とん……

二人の背中がゆっくりと遠ざかる

曲がった背中と、小さな背中

兵士は唇を噛み、帽子のつばを握りしめ、涙が頬を伝う

…………

さっきまでの歓声が消え、人々は抱きしめ合う手を強く握る

視線は向こうの列へ

黙った人々が、服と遺品を抱え、ゆっくりと去っていく

全員が俯いたまま

…………

「お兄ちゃん……行こ……」圭が俺にしがみつく

「もう疲れたでしょ。ここにいるより……」

「私の家に来て……休もう……」圭が顔を俺の胸に埋める

「そうだね」俺は圭の頭を撫でる

「いつまでもここにいられないし!」

「それに……俺がいない間、圭はどうしてたのか気になるし」俺は頬を掻く

「お前らも来るか?」俺はみんなを見る

「当たり前だろ! 聞くなよ!」蓮が俺の肩に腕を回す

「まあ私たちの家ももうないし、しばらく居候させてもらうわ」ねねが近づく

「圭ちゃん、よろしくね!」篠見が屈んで圭を見る

「もう……」圭が俺から手を離す

「お兄ちゃんたちってほんと……!」

「任せて! この妹にお任せあれ!」圭が胸を叩く

「じゃあ早くついてきて!」圭が俺の手を引っ張る

「わかったって……行くって……ゆっくりでいいだろ……」

「ダメ! 晩ご飯は待ってくれないよ!」

………………………………………………………………………………………………………………

俺たちの歩く道、角を曲がり、露店を過ぎる

笑い声の代わりに、妙な静けさ

やがて橋に着く

…………

「……お前がいなくて……どうすればいいんだ……」欄干に軍服を抱えた男

「なぜだ……なぜ……」写真を見つめる

「なぜお前が俺を置いてくんだ……」

「なぜお前なんだ……他の奴じゃダメだったのか……」

「なぜ……俺と一緒に……行かせてくれなかった……」男が欄干に顔を埋める

……

……

ガシッ——バッ!

トッ、タッ……カタンッ。

スッ……

突然、男が欄干に飛び乗り、写真を握りしめる

「ごめん……もう続けられない……」

「俺は……お前がいないと生きられない……」

「今すぐ……お前のもとへ……」

片足が川へ向かう

「何やってんだお前」近くのパン屋から掠れた声

年配の女性が近づいてくる

「俺は……愛する人のもとへ……」

「だから……邪魔しないでくれ……俺は……」

「強くない……立派じゃない……」

「俺にはできないんだ……」涙が頬を伝う

「分かるよ……私には分かる」女性がゆっくり近づく

「誰だって誰かを失ってる……」

「大事なのは……その後どうするかだよ……」

「降りろ!」

「嘘だ! お前は何も失ってない! お前らと同じだ!」

「口先だけで大丈夫って……本当の喪失を知らないくせに!」男が再び足を出す

「確かに……今回は私は誰も失わなかった……」女性が微笑みながら近づく

「だからお前の痛みは分からない……全部お前のものだ……」

「でも一つだけ考えてみて……」

「あの娘は……愛した娘は……何のために戦った?」

「命を賭けたのは……誰のためだった?」

男が硬直し、写真を握りしめ、目が真っ赤

「だから……降りておくれ……」女性が手を差し出す

「生きてるだけで苦しい……」

「誰かのために生きるのはもっと苦しい……」

「でも生きなきゃ……あの子たちのしたことが……無駄になる……」

男がゆっくり降り、女性の手を取り、二人で歩き出す

男はまだ、彼女の遺品をぎゅっと握りしめていた

………………………………………………………………………………………………………………

その一部始終を、俺たちは言葉を失って見ていた

誰もが固まり、誰もが歩みを遅くする

肩を軽く叩いても、誰も声を出さない

………

たたたっ……ぱたぱたっ……とととっ…!

圭が突然手を離し、瓦屋根の家へ走る

「みんなー! 着いたよ!」圭が手を振る

背後のドアが大きく開き

女性が一人、そして小さな男の子が飛び出してくる

俺たちは呆然と見つめる

そしてその家から、最後に煌花がゆっくりと現れた





やっほーみんな、また俺だよ。

天気みたいに気分がコロコロ変わる作者だ。

今日2連続で上げて「えっ!?」ってなってる人、多いと思う。

実はね、めっちゃ笑える(笑えない)執筆事故があって。

本来、この「第18章」こそが俺が最初に書こうとしてた「第17章」だったんだよ。

でも書き終わったら「あ、これなんか変だ…」ってなって、

急遽もう1章追加で書いて繋げたら、予定より1章多くなっちゃって。

これ以上遅れるの嫌だから「もう今日2章一気に上げちゃえ!」ってなったわけ。

読みづらい時間帯で本当にごめん!

でもさ、

俺が外国人で、AI使ってて、文章が変なとこあっても、

それでも読んでくれてるみんな、本当にありがとう。

あと投稿ペースが異常なのも今気づいた…俺、上げすぎだろ(笑)

正直、こんな変な話にちゃんと付き合ってくれる人がいるってことが、

俺にとって一番嬉しいことなんだよね。

そういえば友達に「読んだ人感想言ってよ」って聞いたら、

「ここ、コメント機能ないじゃん」って言われて初めて気づいた…

俺、無知すぎだろ…

だから!

もし感想とか言いたいって人がいたら、

X(Twitter)で「Minateru」って検索すると俺のアカウント出てくるよ(何も呟いてないけど)。

アイコンはArknightsのマドロックだよ。

もっと楽な方法なら、

Epic Sevenで「Minateru12」って検索してくれれば即俺だよ。

今日はこれだけ!

じゃあまたね~!

P/S:最近こっちめっちゃ雨降ってる…台風来てるっぽい?

みんなのとこはもう寒くなってきた?

どっちにしても体調崩さないようにね!


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