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イケおじ転生 ~かつての黒歴史で旅をする~  作者: かりかり
異世界は素晴らしい!
4/32

第3話 仲間ができました

読んでくれてありがとう!



初投稿時バグっていた為修正しときました

「改めて、礼を言わせてくれ。あれほどの軍勢をよくぞ1人で」


「……礼など、当然のことをしたまでですよ」


口調は静かだが、内心ではまだ胸が高鳴っている異世界への憧れ、少年の頃に思い描いた魔法での戦闘

現実となった黒炎の咆哮と剣の嵐

それをたった一人でやってのけたのだ

自分で言うのもなんだが……夢のような時間だった


「すまないが其方にはベルット王国に戻り国王陛下様にもあってもらうがよろしいかな?」


「ベルット王国、ですか……」


耳慣れない名前だが、不思議と心地よい響きだった

そう、私が昔から望んでいた“異世界”の国の名前

異世界に関する作品を何度も読んだ、私には小躍りするような内容だ


地平線の先に、ようやく王国の影が見えてきた

王城の高き尖塔が真っ直ぐ天を突いているその光景を目の当たりにし、私はつい微笑んでしまう


ああ、本当に異世界に来たのだなしみじみとそう思った

異世界に憧れ、最強魔法に恋い焦がれていた日々

学校で友達に笑われながらも、ノートに魔法陣を描いていたあの頃

昔に描いた妄想が、今こうして現実になっている


「なぁクロウ殿よ。その力を我々の王国の為に使うのはどうだ? 、もちろん……無理に頼み込むような真似はせん」


「ありがとうございます、ですが、今はまだ……旅を続けたいのです、この世界を知りたいそれが今の私の願いです」


ハイゼルは「そうか」とだけ返し、それ以上は何も言わなかった


城門の前に着くと、門番たちは戸惑いの表情を浮かべていた当然だろう

さっきまで敵だと思っていた人物が平然といるのだから


「安心しろ彼は味方だ」

ハイゼルが一言そう言うと、衛兵たちは驚いたように目を見開いた


「まさか……この方が、魔王軍をたった一人で……?」


人々の視線が、刺さるようだった

しかし、それは敵意ではなく、畏敬の色を帯びたものだった

感謝、尊敬、そして好奇の混じる複雑な感情



さっきまで、私を排除しようとしていた人たちが、今は感謝の眼差しを向けているなんとも不思議な気持ちだっただが悪くない

むしろ、少し胸が熱くなるこの世界に来て、ようやく自分が強いと実感できた気がするのだ


「よくぞ、助けてくださいました!」

「本当にありがとうございました!」


次々に飛んでくる感謝の声に、私は思わず嬉しくなった


そして城の前についた

ベルット王国の城は大きいが少し古い感じがする

巨大な鋼鉄の門ではなく、手入れの行き届いた木製の扉

けれど、その前に立ち並ぶ王国騎士たちは、どこか誇りと緊張を帯びた表情をしていた


私とハイゼルが城内へと進むと、中庭を抜け、謁見の間へと通された

その天井は高く、壁には金の装飾と紋章が並んでいた

王と呼ばれる存在が、この国を治めているという事実が、ようやく私の中で実感として形を持ち始めた


王──ラベス・ベルットは、柔和な眼差しを持つ老人だった

だが、その声には老いとは逆の芯があり、静かに言葉を紡いだ


「ハイゼルより話は聞いておる……一人で魔王軍の進行を止めたとな?」


「はい 私がやりました」


「その力は、この国の魔道士達の希望となるだろう 受け取ってくれ これは感謝の印だ」


差し出されたのは、革袋に入った金貨

この世界の通貨だろう

異世界らしい装飾が彫られた硬貨を見て、私は思わず口元を引き締める

ああ これぞ異世界!


だが、王の言葉はそれだけでは終わらなかった


「できれば頼みたいことがあるのだ」

「なんでしょう?」


「王国の見習い魔導士エクシズを、お前の旅に同行させてやってはくれぬか」


そう言って呼ばれたのは、緑の髪を揺らしながら現れた一人の少女だった

澄んだ瞳と、まだ幼さの残る顔立ち

だがその眼差しは真っ直ぐで、どこか私と同じものを感じさせた


「はじめまして 私 エクシズっていいます!」


「彼女は王立魔術学院で首席を取るほどの才女でな この国の未来を背負わせたいと思っておる」


「はいっ! わたし、クロウ様の魔法を見て決めたんです! あんな風になりたい、って……!」


私は思わず視線を逸らした

誰かに憧れられることなど 今までなかったから

けれど その声は どこかまっすぐで 懐かしさすら感じさせた


「……連れて行くのは全然大丈夫ですが、私なんか大丈夫ですか?」


「いや、其方だからこそ、彼女を連れて行ってくれぬか? お互いにとって意味のある旅になるはずだ」


旅の手助け

この世界の知識を少しでも知っている

そして自分に憧れてくれる


悪くない

私は少しだけ そう思いました


「わかりました 連れて行きましょう ただし 戦いの危険もある それを承知の上で」


「はいっ! もちろんです!」


笑顔で返すエクシズの姿に 私は少しだけ肩の力を抜いた


支度を終えたエクシズは、城門の前に立っていましたエクシズは少し大きめの杖を手に、肩には小さな鞄を背負ってい

風に揺れるマントの端が、冒険の始まりを告げているようでした


「クロウ様、準備できました」


「では、行きましょうか」


エクシズは嬉しそうに笑いました見習いとはいえ、彼女の魔力は確かなものようです


歩き出してすぐ、城下の通りを抜けたところで、街の人々が私たちに頭を下げていることに気づきました。かつて私を「魔王の手先」と恐れた人々が、今は笑顔で手を振ってくれているのです


なんだか、不思議な感覚ですね

人の目はこんなにも変わるものかと、心の奥がくすぐったくなるような、そんな感覚でした

けれど、やはり悪くないものです


この世界が少しずつ私を受け入れてくれている そう感じられたことが、たまらなく嬉しかったのです


「クロウ様、これからどこへ向かうんですか?」


エクシズが不安げに問いかけてきました


「まずは近くの街へ行って 情報を集めましょう その後は……エクシズ、君の行きたい場所はありますか?」


「えっ、わたしの……?」


彼女は驚いたように目を丸くし、それからふっと笑いました


「じゃあ……じゃあ! わたし、空に浮かぶ島が見たいですっ ずっと昔に本で読んだことがあるんです」


「ふむ、空に浮かぶ島…… ロマンがありますね」


私たちは顔を見合わせ、笑い合いました

たった二人 けれど、世界は広い

未知の土地 未知の出会い 未知の戦いが待ち受けているかもしれません


それでも私は歩みを止めません

これは、かつて夢に見た冒険の始まりなのですから


「行きましょうか 私たちの旅の始まりです」


そう告げて、私は空を見上げたのです


果てしない青の向こうに、まだ見ぬ世界が待っている

また読んでね!

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