閑話1 真凛の気持ち
ここから先は本編の舞台裏的なぶっちゃけ小話です。
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「真凛氏ってふゆきち氏のこと好きなん?」
「好きだよ」
「キマシタワー的な意味で?」
「どっちかってーと、共依存的な意味で。私がなんでオタクに優しいギャルやってるかわかる?」
「オタクに優しいギャルって意図的にやるもんなんすか?」
「私の場合はそうだね。自己肯定感低過ぎの卑屈なオタクくんってさあ、内心周囲を見下してるくせに実はどっか周囲にビクビク怯えてるふしがあるじゃん?」
「突然拙者の話してる?」
「そういうのが好きなんだよね。卑屈ないじめられっ子が私を見た時だけ顔がパーって明るくなって、笑顔になって駆け寄ってくんの。気持ち悪いけど、そういうのにキモカワ的な醍醐味があるというか」
「おっとなかなか倒錯的な趣味をお持ちで」
「ダサくて臭そうなオタクデブとか、ヒョロガリ眼鏡くんとか。そういう誰からも見向きもされなさそうどころか、顔を顰められそうな子たちが、私だけを崇拝するように懐いてくるのがすっごく好きで」
「ごめん、何も聞かんかったことにしていい?」
「ふゆが誤算だったのは、あの子を強い子だと買いかぶりすぎたとこかな」
「と、申しますと?」
「ふゆは強いから平気。それは事実なんだけど、強いからって傷付かないわけじゃないわけ」
「それはそうでしょうな。金属だって割れたり砕けたりしなくとも表面に瑕はつきますから」
「紅の気持ちを一番理解できるのは、たぶん私だろうね。そういう意味では、あいつがお膳立てしてくれたお陰で美味しいところをかっさらえたわけだけど。そういう意味じゃ感謝してる。集団の中で浮いてたり爪弾きにされたりして孤立してるいじめられっ子を率先して助けるのは、私だけに依存してくれる子候補だから。浦部の場合は、他人に依存するタイプじゃなさそうだったけど」
「それでも声かけたんすよね。一体なーぜなーぜ?」
「そこで見捨てるのは私のキャラじゃないから。ふゆに見損なわれるの嫌じゃん?」
「ここまでの会話を録音して聴かせたらそれだけで見捨てられそうな気もしますが」
「蜜柑はそんなことしないよね?」
「サーイエッサー!」
「ふゆの一番の座は浦部に取られちゃったけど、一番の親友の座は一生涯私のもんだから」
「バームクーヘンエンドを御所望で?」
「あれは負け犬が泣きながらバームクーヘン貪り食う奴でしょ? 私の場合は勝利のバームクーヘンに酔い痴れるから。これから先一生私はふゆの大親友で大恩人。ふゆの子供が生まれたり、夫婦喧嘩したり、色んなトラブルが舞い込んでくる度に、一番の親友として私に相談したり頼ったり泣き付いたりするわけよ。それってある意味旦那より美味しいポジションだと思わん?」
「ひょええ。拙者背筋が凍り付きそうですわ。拙者はここにいなかった。いいね?」




