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てなもんや魔女ミドリコ  作者: 大石次郎


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野分けのハープ 20

もうゴーグルじゃどうしようもないから魔法障壁で上からの雨水を弾くしかない、叩き付けるような豪雨の中っ!


「ハイリーディング! マナボム!」


(めつ)・ドラミン砲!!」


「クゥアアアンンッッ!!!」


魔法石の欠片を二十数個消費しっ、まず雨の中を泳ぐようなラクシーンの高速の立ち回りと、厄介な迷彩能力持ちのマゴンヌの身体に当たる雨粒の迷彩で誤魔化し切れない僅かな景色の歪みを解析!


続いてラクシーンは銛を連打で破壊しつつ、トッピの解除が通り易いよう頭を吹っ飛ばさない程度に1撃だけ兜にも魔力の爆弾をブチ当てっ、

兜被ってないマゴンヌはちょっとよくわかんないけど、すぐ再生する全ての触手を粉砕し、厄介なワンドも弾けさせた!


熊型と合体したユパっちはフルパワーのドラミン砲を大丈夫なの? ってくらい直撃コースでラクシーンとマゴンヌの胴に命中させ、ラクシーンの鎧を破壊! マゴンヌは普通に胴を貫通させて風穴を空けたっ。オイオイ??


トッピの鶴型の解除の咆哮は、ラクシーンとマゴンヌの頭部に掛けられた洗脳の法式を解除し、ラクシーンの兜は解体させた。


「ああ・・ネルシーン。哀れな子・・・」


ラクシーンは正気に戻って突っ伏して泣きだしたけど、


「んきゃああ~~~っっっ、余計な事するんじゃないようっっ!!! アタシ達のパラダイスはっ、死ぬまで行軍するしか無いんだよっっっ」


マゴンヌは腹の穴はともかく、触手は全て再生し、もう迷彩もせずに物理的に大暴れしだして、ラニロロの町を破壊しだしたっ。


トッピはサイキックワンドで号泣するラクシーンを釣り上げて取り敢えず離れた位置にポイっと放った。合理的!


「この『駄々っ子』の蛸は私とユパで押さえるっ。時間無いからミドリコは嫉妬の魔女を!」


「・・任せて。星になったエリオストンの分までドラミンと頑張る」


「いやっ、エリオストン謎ニンジャと投獄されてるだけだから! ま、いいわ。じゃちょっと行ってくる!! ピクシーウィングっ!」


あたしは暴れる蛸を2人に任せ、飛行魔法で飛び上がり、視界最悪の魔法障壁の中で普段はもったいなくて使い所が行方不明になりがちなエリクサーを1本ガブ飲みした。


「ぷはっ、『ドクダミ山椒シロップ味』っっ、メーカーのセンス!」


エリクサーの会社に1ツッコミ入れて、ハイリーディングで眼下は行く先の状況をざっと確認!


大乱戦だった。ポポヨッテ兵達と率いられた陸上侵入可能な海の魔物達が暴れているっ。

海底王国軍にドールテイマーギルドとゼゼオムとその私兵達主体の制圧軍がポポヨッテを強襲する中、ラニロロ沖の海上に嫉妬の魔女が出現し豪雨を降らせだした!

合わせてラクシーンとマゴンヌが軍勢を率いてラニロロを襲撃っっ。


察知自体はギリ間に合ったから大半の住人は避難所に誘導できたようだけど、衛兵隊、領兵、ファイターギルドの混成に、何だかんだで来てくれたニンジャギルドの人達が加わって避難所の防衛に当たってくれていた。

ナサイは治療院何かの特に身動きが儘ならない人達の避難所になっている所を、ラニロロの商会から提供されたジェムで多数のドリアードを召喚してフォローしてる。マルコスOBも車椅子で奮戦してるとか・・


港から比較的近い海上ではウィザードギルドの飛行部隊が海から次々来る水棲の魔物達を押さえてる。アリシャは子分のヨミーとナマハムと合流してこっちに参戦してた。


「問題は・・」


そう、最大の問題は沖の嫉妬の魔女もだけど、トッピが『時間が無い』ってのはかなり直接的な事情!


嫉妬の魔女は、水平線が立ち上がったように見える大津波を発生させていた。

ラニロロ近くの祠でアル達、正気のオーシャンピープル達が遅延の法式を展開させてくれてるけど長持ちしそうにない。


いよいよとなったら避難所の住人を無理からでも町の転送門か一部にはある高台に移動させなきゃならないけど、乱戦の中で、移動が儘ならない人達もいる。


「・・タイマンするのにちょっとダサいけど、地の利と人質利かせてきてんのはあっちだしね!」


あたしは飛びながら、ありったけのジェムをポーチから出して展開させた。


「自力でやったるわいっ! 全解放(ぜんかいほう)っ!!!」


全ての属性のジェムの魔力を吸収しつつ額にアゲートティアラの紋を発生させ、ツインテのシュシュを爆ぜさせて万色に蠢く混沌の髪を振り乱させるっっ。


寄ってきていた浮遊する海の魔物達は一瞬で全て破裂させる!


「ふぅぅっっっっ」


(おっはよ!)


(キュウっ)


幻想の中の始祖とまだ連れてるファンシーラットのオジラが現れて纏わり付いてくるけど、無視!


あたしは超高速で海へと向かった。


ウィザードギルド軍を追い越しつつ、数が大過ぎる目についた海の魔物群の7割程度を強火力の無詠唱のマナショットで粉砕してくっ。すぐ海から涌くだろうけど。


「ミドリコ! わたくしの取っておきのっ」


ヨミーとナマハムと乗ってるマルコスOBの飛行絨毯の上で魔法書を取り出して何かアピールしてきたけど、止まれんしっ。


「後で!」


あたしはアリシャ隊を置いて、津波を招く嫉妬の魔女へと直進していった。


「っ!」


相手は嗤ってる。


(今回の無垢の魔女は育ってない、って思われてる。『あたち』負けるの嫌いだから、負けそうになったら『身体替わる』ぞ?)


(キュウっ)


「上等ッス!」


全解放するってそういうことだし、やってやんよっ!!

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