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てなもんや魔女ミドリコ  作者: 大石次郎


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野分けのハープ 3

朝一で里長の所で確認したところ、かつてスキュラを退治したっていう冒険者パーティーは、


ロングフット族のサムライ職『ケンゾウ』。

同じく|ロングフット族のウィザード職『マルコス』。

バルタン族の射手(アーチャー)職『ゼド』。

フェザーフット族のニンジャ職『ワッパ』の4人だった。


いずれも各ギルドの3級認定の手練れ。

ウィザードギルドのマルコスに関しては水晶通信でギルドに問い合わせできたけど、とっくに引退して旧ソルトロック領近い海辺の町で魔法薬の店をやってるらしかった。


「ふーむ」


あたしは普通程度のヤツでも値段結構高かったりするメモ帳を開いて頭を捻る。隣のユパっちはドラミン鞍の熊型・改弐に乗って欠伸しちゃってる。


「ユパっち。このゼドって人、アーチャーギルドの在籍期間か短過ぎてよくわかんないっぽいんだよ」


「んん?」


「最短で行きたいから、OBの人が魔法薬の店だかやってる、海辺の町『ウーナロロ』だっけ? そこに行こ」


「いいと思う。ドラミンもそう言ってる」


「・・・」


今夜の野営の御飯、ポトフだから。と言ってもおんなじ返事だろな、て。


「転送門いくつか経由したら日が暮れる前にガラスの森を抜けて、大きめの設備のいい野営地まで行けると思うんだ。バサ郷で何かやり残したことある?」


関心薄いから無いだろな、と思って聞いたけど、


「ある。この服飽きた。買う。土産物屋の霊木の木像もドールの素材にするから買う。ナッツケーキも好き。買溜めする」


「お、おう」


意外と旺盛な購買欲!


というワケで買い物をちゃちゃっと済ませたんだけど、


「ナサイ、今、郷にいるのかな? 普段、よろず屋の手伝いしてるんだっけ?」


出る前に挨拶くらいしたいのさ。


「今日は郷の北の高台の丘で『フェアリーマリーゴールド』の花摘むって、夕飯の時言ってた」


「あ、何か言ってたかも?」


「ミドリコ、適当に相槌打ち過ぎ」


「うっ」


学生の頃からそれよく言われてる・・というか、意外とよく聞いてるな。


いや、夕飯の時もドラミン被ってたから耳いいのかっ。反則だ! 意味わからんし。


とにかくっ、出発の挨拶をしに北の高台の丘にゆくことになった。


ナサイはハミングしながらフェアリーマリーゴールドを摘んでた。


「あ、おーい! ミドリコさんっ、ユパアーカさんっ」


弓を使う人だからすぐ気付いて手を振ってきた。

今日は平服だから古典物の演劇のヒロインみたいだね。兵役に出た夫待ってます、みたいな。


「ウーナロロに行くことになったよ」


「そうですか。それよりもっ、ユパアーカさん!『エルフの服』着てるじゃないですかっっ、可愛い~」


ナサイ的にツボだったらしく、キャーキャー言って熊型の上のユパっちを撫でまくったり抱き付いたりしだしたけど、しまいに無言で、ビシッ! と手をはたかれちゃったよ。


「あ痛いっ?」


しょっちゅうドラミン被って大人しいけど、ぬいぐるみ扱いするとわりと怒るんだよね。


「『猫的なナニカ』だから気にしなくていいよ」


「がぅっ」


「そう、ですか・・でも、ウーナロロに行くんですね。よろず屋の外周りの仕事でたまに行くことがありますが、のんびりして良い町ですよ。いいなぁ」


自分がお茶や薬や魔法素材になるフェアリーマリーゴールドを摘んでいた丘から、きっと何百年も静かなバサ郷を見下ろすナサイ。


「外周り仕事は月に2度程しかないんですよ。あまりお金使わないから生活に困ることはないのですが、やっぱり退屈で・・」


ほほう。


「だったらミドリコ隊で暫くバイトしてみない?」


「え?」


ミドリコ隊は隊員が約1名7割方サボり倒すから、常に人的資源が不足しているっ。スカウト活動も抜かり無いぞ?

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