Infinite Odyssey Online
初投稿です。
お手柔らかにお願いします。
『Infinite Odyssey Online』
通称"IOO"。
「無限の可能性を探し求め、果てなき冒険が始まる」
この大層なキャッチコピーを掲げて発表されたIOOはゲーム業界に一石を投じた。
フルダイブ型のゲームが普及し始めている一方で、ダイブマシンの高額な費用やバグの多さ、操作性の悪さといった課題がまだ克服されていない。
これらの問題から、普及は一部のコアゲーマーにとどまっている。
しかし、そんな状況の中で発表されたIOOは、その技術力により五感を再現し、美しい風景やダイナミックな戦闘、料理の味まで高解像度で感じることを可能にした。
まるでプレイヤーが本当に異世界へ足を踏み入れたかのような体験を提供したのだ。
さらにIOOでは、人間族、森妖族、鉱工族といった一般的な種族だけでなく、軟体種や鬼蛮種、骸骨種など、魔物としてプレイすることも可能である。
プレイヤーたちは自分たちの望む姿で仲間と協力し未知のダンジョンを切り拓き、武器の鍛造や貿易を通じて富を得ることもできる。
さらには国を興し、領地を運営するなど、プレイヤーにできることは限りがないらしい。
この一大ニュースは、世界中のゲーマーたちを驚喜させた。
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「へへ、ゲームはあんまりしたことないけど楽しみだな!」
親友である金城華音に半ば強引に渡されたゲームのパッケージとダイブマシンを見つめ、空音鈴は一度深呼吸し、ベッドに横になりダイブマシンを装着した。
初期設定を終え、IOOを立ち上げる。
目の前の視界が一瞬暗くなり、次の瞬間美しい星空が広がった。
その星空の中心には優雅な女性が浮かんでいた。「綺麗…」と鈴は思わず声を漏らす。
女性は優雅に微笑み語りかけてきた。
「ふふふ、ありがとうございます。私の名前はセレスティア。この世界で女神の一柱をしています。まずはこの世界でのあなたの名前を決めましょう」
「名前かぁ…鈴…はだめだよね…そうだ、"リン"で行こう!」
「素敵な名前ですね、リンさん。次は貴女がなりたい種族を選んでください」
星空の中に無数の種族が浮かび上がった。華音に聞いていた通りの多様な種族が並んでいる。
「うーん…どうしよう…人間陣営と魔物陣営の2つがあるけど何が違うの?」
「人間陣営は、職業、装備、スキルの選択により自分自身を成長させることが可能です。汎用性のある育成ができることが魅力ですね」
「自分の好きな様に成長することができるんだね!」
「ええ、それに対し魔物陣営では自身を『進化』させることで成長を遂げます。特定の条件を達成することで新たな形態に進化し、それに応じたスキルや能力を得ることができます。魔物陣営は種族によって特定の能力に特化しているため、その特性を活かしたプレイが求められます」
「汎用性か特化かぁ…どっちも魅力的だね…」
「迷っているのであれば、ランダムという選択肢もございますよ。稀に、通常では選べない種族になることもあります。ただし、出た種族を後から変更することはできません」
セレスティアの提案に、リンは「それ面白そうだね、やってみる!」と笑顔で応じた。
セレスティアが手を翳すと、種族の書かれた画面が回転し、停止したところには『妖狐種』と表示された。
「あら、妖狐種は珍しい種族ですよ。通常選べない稀少種族で、幻術や妖術に秀でています。楽しみにしていてくださいね」
「うん、楽しみだなぁ!」
セレスティアは優雅に微笑んだ。「それではリンさん。"Infinite Odyssey Online"へようこそ。この世界は貴女を歓迎します」
その言葉の直後、リンは光に包まれた。
お読みいただきありがとうございます。
マイペースにまったり進めていけたらと思います。
あまり、なろうのシステムも理解できてないのでお試しに短いですがプロローグを投稿してみました。
もし面白いなと感じたらブックマーク、評価などしてくれると嬉しいです。