ばら
街歩きをしている最中
門扉につるばらを絡ませている
そんな家を見かけました
ばらは虫がつきやすいですから
手入れもさぞかし大変でしょう
今はもうその季節は
少なからず過ぎてしまいましたが
わずかに残されたその花を見て
昔に訪れたばら園の事を
ふと思い出しました
設置されたベンチの上に
主のように猫が寝そべっていた
そんなばら園には様々な
色や形の低木のばら達が
今を盛りと咲き誇っていました
一重八重 様々な形の
ばらの花がありますが
薔薇という漢字が表すような
絢爛とした八重咲きのそれが
一番似合うと思います
ばら色は実は原種に近い
ピンク色を指すようですが
やはりそれは真っ赤な
黒に近いほど深い色の
血の色であって欲しいと思います
その花びらを一枚一枚むしって
じっくりとエッセンスを抽出し
それを数滴紅茶に垂らして
血の代わりに味わう そんなことを
私もしたいと思ったものでした
そういえばその頃は何者かが
訪れることを期待して
私も夜窓を開けたままに
床についていた そんなように
記憶しています
勿論夢は夢であり
お話はお話にすぎないですから
やがてはすべてを諦めて
窓を閉じて眠るようになったのです
喪失感すら感じることなく 私も
随分と時間はたってしまいましたが
久しぶりに今夜は窓を開け
うたた寝してみましょうか
昼は暑くなってきましたが
きっとまだ夜風は涼しいでしょう
窓辺に真っ赤なばらを
ほんの一輪だけ飾り
そしてその香りに包まれながら
静かに昔に手放した夢を
もう一度見てみたい
そう 帰りには花屋さんに
寄ることにしましょうか
6.27 もう読まれないだろうからの蛇足。いや一昨日とか、このジャンルヤバかったです。100位までとは言いませんが、もう少しランキング埋めてあげましょう… 新作も早々の夏枯れだったのかな。今日あたりは少し復活してきた感じがありますが。
主格助詞が「も」なのとか、判る人には判るだろうけれど、判らない人には判らない内容でした。