水
異世界リュックの研究は、まず『水』から始まりました。
割と簡単に調査可能な数字が――
・一日に必要なのは3リットル
・各家庭の備蓄は、三日分――9リットルほどが目安
でしょうか?
ここで――
災害時用備蓄 = 異世界リュック + 通常備蓄分
という構想が生まれました。
いますぐ「持てるだけの備蓄を持って移動」なんて時に、とりあえず異世界リュックを背負う想定です。
よって異世界リュックへ水9リットルを入れておくのなら、通常備蓄分は無し。
3リットルなら、残りは通常備蓄へです。
では、どれくらいの水を異世界リュックへ入れておくべきか?
これは体力との相談となります。
先に提示しておくと、登山などで推奨される荷物の重量は――
専門家 30kg 男 20kg 女性 10kg
だったりします。
まあ女性の場合は一日に必要な水の量も2.5リットルへ減ったりしますが、とにかく三日分は大きな負担!
しかし、どこだか分らない異世界へ転移し、三日以内に人里へ到着というのも結構ハードル高そうです。
というわけで浄水器の出番!
足りなかったら現地調達すればええねん。
1 水筒型で使いやすい物
大きさは500ml程度な空の水筒。
握力を利用しフィルターで濾す方式。
単純ながらも、泥水からすら10リットルぐらいは回収可能。
安全性の怪しい水程度なら、400リットルぐらいいける。
2 設置型浄水システム
同封されたビニル袋を吊るし、重力落下を利用して浄水。
手間暇はかかるが、対重量効果は非常に大きい。収納時は掌に収まるほど。
3 薬剤型
ようするにハイター(次亜塩素酸ナトリウム)
数リットルに対し、数滴&放置で飲めるように。殺菌も見込める。現実のサバイバルキットにも同梱。
ただし、凄く臭う。つまるところプールの水。
流れている水or湧き出ている水であれば、ほぼ『1』で通じるでしょう。
念の為に『3』を使うとしても……いずれは無しで飲めるようにならないと厳しかったり。
『2』は獲得量が多いので、多人数な場合に一つ保険として?
作者であれば『1』に保険で『3』を滴下容器(目薬用みたいな奴)に取り分けておくかな?
……すぐにご理解いただけるとは思いますが、異世界リュックは重さや容量との戦いです(苦笑)
でも、『2』は軽くて小さい割に、もの凄い高性能!
いずれは触れると思いますが役目分けまで可能な場合、誰か一人は保険で入れておくべきでしょう。
とにかく一日分の水+浄水手段があれば、通常環境なら対応可能?
でも、水源の発見に手間が掛かったり、砂漠や雪山などだったら?
………………うーん?
やはり、三日分より少ないのは大問題です。
それでも一日辺りを切り詰めで対応し、男なら2.5*3の7.5リットル、女性なら2*3の6リットルかな?
どのように備蓄するのかも考えねばなりません。
水筒すら省きたいので、少なくとも一つぐらいは、水筒サイズのペットボトルにするべきです。
さらに水源確保までは休みなく動くしかないので、行動食や脱水症状へのケアも考えるべきでしょう。
しかし、水の一部をポカリスエットなどへシフトもできません。まずは水の形で確保がベストです。
ならば粉末のスポーツ飲料を!
これなら水の補給が見込めた時点で、手持ちの水を加工できます。
登山などでケアの指摘される塩分やミネラル、当然ですが水分も補給ができ、それなりに合理的!
しかもグラム当たりのカロリーは4kcalを超える高効率!
ただ大半の製品が一袋で1リットル用。
ここは合わせて1リットル入りペットボトルも用意しておきましょう。
・0.5から1リットルの水筒兼用ペットボトル
・1リットルのスポーツ飲料用ペットボトル
以上を用意が決まったので――
・対応したペットボトル用スリング
も必要に。
ペットボトルへ結んで水筒にするアレです。
そして大は小を兼ねるでもありませんが、大きな容れ物があると便利なことも。
いままでの震災でも、水の配給を貰う容れ物が無くて困ったとも聞きますし、いっぱい入る容れ物があれば、水汲みの回数も減らせるかもです。
折りたたみ型水タンクなどは、10リットルぐらい入るも……さすがにやり過ぎでしょうか?
リュックではなく、通常備蓄分ならあってもよさそうな気も?
ペットボトルだと酒類や業務用、ウォーターサーバー用などの大型はありますが、収納性は著しく悪く感じます。
やはり、奇をてらわず2リットルがベターでしょうか?
・7.5リットル、内訳案
500ミリリットル*3
1リットル*2
2リットル*2
※ 水タンクは任意
あとは消費期限が切れない様に、適当にローリングストックすればOKでしょう。
……と終わりませんでした。
なんと水の消費期限は――
数カ月から20年という、信じられないくらいに幅が!
そして調査して判ったのですが――
基本的に理由を説明できてる商品はない
といえます。
メーカーごとに「海洋深層水だから」「低コストな紫外線消毒でなく熱消毒」「ボトルの改良」「表示量を保証できる期日」と、じつにまちまちでいい加減な説明が!
この中で最も信憑性が高いのが「表示量を保証できる期日」なんですが――
馬鹿じゃねえの?
といわざるを得ません。
・基本的にペットボトル内の水は腐ったり変質したりしない
・ペットボトルは通気性があるので、内容物が蒸発はあり得る
・蒸発の結果、表示量を下回ることも
・よって水であろうと賞味期限がある
が理由なんですが――
なら2リットル入りの現行品を「1.5リットル入り保存水、20年保証」で売り出せばええねん。
一般メーカーの通常品が100円以下なのに、5年保証したとたんに500円やぞ?
2リットル入りの表記を変えるだけで、倍の値段でも飛ぶように売れるやろ?
ただ、過程で得た缶詰水や瓶詰水の調査結果も踏まえると――
外見の寿命こそ、真の水入りペットボトルの消費期限
といえるでしょう。
ようするにペットボトルが紫外線劣化してボロボロになり、割れるまでは飲用に耐えてくれそうです。
……なら対紫外線のカバーすりゃええんじゃね?
食品用のさぁ、対紫外線能力もある真空パック!
あれでペットボトルごと包んじゃえばさぁ、理論的にパーマネントになるんじゃない?
真空パックは通気性ないはずだし、そもそも通気性と品質劣化は無関係。
ペットボトルの劣化が防げず容器が破損したって、注ぎ口の所だけ真空パックを破けば問題なし。
さすがにペットボトルが粉々となって誤飲するまでは、果てしない時間がかかるだろうし?
………………うーん?
命に関わる備蓄品についてだからなぁ
この作品では――
「5年保証品はそこそこ安いので、それをローリングストック推奨」
とし――
「一応、ペットボトルの水は腐らない理論も存在する」
にしましょう!
さすがに文責の限界を超えてる!(苦笑)
以上、水の回でした!
〇今回、リュックへ入れると決まった物
・水500ml入りペットボトル*3
・1リットル入り*2
・2リットル入り*2
・水筒型浄水器
・ハイター 20~30ml
・粉末スポーツ飲料、1リットル用*10程度
〇任意
・別系統の浄水システム
・折りたたみ型水タンク