サイコパスか
マジかよ....
猫を殺そうとしたらまさか、こんなことを見るなんて......
1.黒神 愛優翔
自分の名前には、『神』も『愛』も『優しい』っていう漢字も入っている。
だけど、ぜんぜん名前にふさわしくないことを、今している。
グサッ---
昼休みの裏庭。
誰もいないのを確認。
我慢できなくなって、あらかじめ捕まえておいた蝶をつまようじでさして殺した。
「かわいそうに」
本当はそんなこと思ってないけど、とりあえず言ってみる。
殺した蝶を紙で作った袋に入れて、胸ポケットに入れた。
心が落ち着く......
殺らないと心がざわざわして落ち着かない。一回そうなると殺さないとだめだ。
もう一度殺したばかりの蝶袋からだし、眺める。
わかってる。もうちょっと生きたかったよな。でもな、そう思えば思うほど......
心臓の辺りがまた、ザワザワしてきた。
またか....最近量が確実に増えた。
心を落ち着かせる為、蝶をまた胸ぽけっとに入れた。
「ニヤーオ」
猫の声が後ろで聞こえた。
はしらへんで聞こえる。
ドク--
心臓が高鳴っているのがわかる。
殺したい。
猫の声が聞こえる方向にズボンの中に入っている、カッターナイフを取り出してゆっくりと近ずく。
また草の中で鳴き声が聞こえた。
俺は急いで草のほうへ向い、くさをどけた。中をのぞくと子猫がいた。
よく見ると足を怪我している。俺の方を見て苦しそうに鳴いている。
俺はそれを見ておもいっきりナイフを振り下ろした。
「おーい、愛優翔―!」
友達の声が聞こえ、あと1センチくらいで届きそうだったナイフを止めた。
声が裏庭の方にちかずいてくる。俺は急いでナイフをポケットにしまい、子猫の方を見た。
もったいないな....
1度だけ近所に住んでいたおばさんの、弱っている犬を殺したことがある。
それは小学校4年生のときで、おばさんには適当に、遊んでたら急に死んじゃった。といってごまかした。
それ以来、犬.猫などの動物は殺そうとおもっても逃げられたり、処理のことを考えると殺せなかった。
だから今回はすごくレアだ。
「愛優翔、お前何やってんの」
後ろで友達の、田中太一が声をかけてきた。
この猫は見られていない。
「いっいや、なんか変な虫がいたから観察してた」
俺が適当にごまかす。
「変なやつだなw。向こうでバスケやってんだけど、お前もどう?」
俺は勿論だがみんなに、動物や昆虫を殺していることを言っていない。
まぁ、言ってたら誘われることもないし、友達もいることはないだろうから言うつもりはない。
「後で行くよ」
俺は言った。
こんなチャンスを逃したくない。先に行ってもらって、殺してから行こう。猫の方を見ると、足を怪我しているからか、まだいた。
きっと動けないんだろう。
「先行ってて」
俺は付け加えて言った。
「俺疲れたからお前が行くまで一緒に休憩してるわ!」
太一そう言って、近ずいてきた。
マジかよ......
俺は急いでそこらへんにあった植木鉢を猫にかぶせて、逃げられないようにした。
「あ、俺虫見たかったんだけど、逃げちゃったからもう行くよ」
俺が言うと
「まじか。じゃあ行くか」
太一は笑って、先に歩き出した。
俺も太一の後ろを歩く。まだ心臓がもやもやしている。
ふと、下を見るとアリがいた。
ダンッ----
「びっくりしたー。愛優翔どした?」
太一が笑いながら言ってきた。
「いや、なんでもない。ちょっとつまずいた」
俺は言って、少し足を上げてぺちゃんこになったアリを見る。心臓が少し和らいだ。
TO BE CONTINUED....