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平成23年3月22日(火)



 本日は金華山周辺海域において捜索救難作業を実施。

 特に何事もなく終了する。


 さすがに乗員達の間では、いつ横須賀に帰れるのかが気になり始めているようだ。

 噂では27日とか28日あたりが怪しいとのこと。そういう話が広がると言うこと自体、みんな帰りたがっている証拠なのだと思う。

 確かに、いくら任務が明確とはいえ、自分の下宿や家、家族があるだろうから、いつ帰れるのかが分からないのでは不安も増すばかりだろう。


 かく言う僕も、アニメの録画状況がどうなっているか心配でたまらない。

 いや、家族については電話で確認済みだからね。家族よりアニメが大事と言うわけではないので誤解のなきよう。もしドラとか録れてないだろうなぁ。放浪息子とかゴシックとかレベルE ((注1))とか大丈夫だろうか・・・。


 今日の昼食は、金曜日でもないのにシーフードカレー。

 夕食はハンバーグとアボガド野菜炒めなどだった。夕食は普通の食事といった趣だったが、昼のカレーは何だったんだろう。調理員長の静かな反抗 ((注2))なのかしらん。

 士官室で出されたの朝食の白米は芯が残ってたって機関長がぼやいていたし・・・。


 しかもカレーあまり美味しくなかった。前に乗っていた艦のシーフードカレーが懐かしい。生糧品も補給艦とか護衛艦から分けてもらえないかな。

 うちに分けるぐらいなら被災地に回すか。そうですよね。


 さて、いよいよダレ具合が半端じゃなくなってきた。

 横須賀入港日の噂が立っていることもあって、モチベーションも下がり気味。

 そういえば、取手士長のお父さんが倒れたとのことで、次回の出港は取手士長は乗ってこないようだ。旭士長も海士課程入校のため退艦し、代わりというわけではないけれど、家族対応のため降りていた東北出身の機関科の乗員が帰ってくる。


 次からは僕も晴れて機械室運転員 ((注3))に返り咲きだ。

 きつくなるなぁ。

 どうもマイナスのことしか頭に思い浮かばないよ。燃料係関連の月頭書類も作成しなければならないし、ジュースの在庫量も心配。さてさて、そろそろ何らかのアクションが起こってくれないものだろうか。

 遺体を見つけすぎて大忙しというのもどうかとおもうけど。




(注1)

 「放浪息子」「GOSICK -ゴシック-」「レベルE」はいずれも当時放送中だった深夜アニメ。長期出港の間は全てHDDレコーダーに録画して後で視聴することになるのだが、放送時間変更が多く録り逃がすことも多かった。「もしドラ」とは小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」をアニメ化したもの。3月中旬放送予定だったが、実は震災に伴う特別報道のため放送延期になっており、当時の僕はまだそれを知らなかった。 


(注2)

 後々になって考えてみれば生鮮食品が尽きかけている状況であり、やむを得なかったと思われる。冷凍品のシーフードミックスの使い道を考えた結果、カレーにしようと考えたのではないだろうか。本来は前日からスープなどを仕込んでいるのだが、その余裕もなかったためにあの味になったのかな・・・。


(注3)

 機関科の航海中の監視制御体制は、操縦室配置と機械室配置に分けられる。機械室は主機や発電機が常に運転中であり、耳栓がないと難聴になるレベルの大騒音と、連日40℃を超える高温と、船底にたまったビルジと呼ばれる海水や油の混合物による異臭が織りなす劣悪環境。機械室運転員は、そんな中で勤務しなければならないため、一般的には海士と若手海曹が勤めていた。


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