第19話 準備
目を覚ましたのは日が昇って少しした後だった。
今日は昼にダンという男と会う予定だ。
それまで時間があるから街を歩いてみよう。
朝食を食べ宿屋を出た俺は歩き出した。
いろいろと歩き回っていたら昼を知らせる鐘が鳴った。そろそろ時間だな、俺はギルドに向かった。
ギルドにつくとダンは先に来ていた。
「待たせたな、ダン。」
「よお、あんちゃん。来てくれたか。来なかったどうしようかと思ったぜ」
「それで?どうするんだ?」
「まあ、そう焦るなって。とりあえず歩こうぜ」
そういうとダンは歩き出したのでついて行った。
「というわけで盗賊団は今、街を出て少し歩いたところに森があるんだ。その森の洞窟にいるって話だ。だから今日の夜にそこに乗り込むぞ。」
「今日の夜か、わかった。そういえば賞金首を殺した後のシステムはどうするんだ?」
「お、そうだったな。殺したらそいつらの手をきりとるんだ。あんちゃんもギルドで水晶の上に手を載せて登録してたろ?あれだよ。盗賊のの手を乗せてそいつが賞金首ならデータがあるからな。それでわかるんだ。ちなみに盗賊だから宝もある。それは見つけたものがちな?」
「ああ、わかった。」
「必要なものはこっちで集めるからあんちゃんは戦いの準備をしといてくれ。夕暮れ時に村の門の外で落ち合おう、じゃあな!」
言い終わるとすぐに走り去ってしまった、なんて落ち着きのない男だ。
そういえばさっきの話の手を切り取るとしたらナイフが必要だな、そしたら荷物が増えるからリュックなどを買わなければいけない……かさばって動きにくいし出費も痛いな……アイテムボックスとか無いのか?なんて思いながら呟いてみた。
「アイテムボックス」
すると頭の中に宝箱が出てきた。
ッ!?まさか本当にあるとは……良かった。アイテムボックスの中は狭いが入れられる数は決まっていてサイズは関係なさそうだ。などと確認していると手紙がひとつ入っていた。それを読んでみると
「これに見ているってことはアイテムボックスに気がついたようね、少しはその世界になれてきたのかしら?ちなみにあなたの行動はこちらでも見ようと思えば見えるのよ?あのエルフの子にご執心のようね、まあその世界を満喫しなさいな。バイバイ 死神」
……………見られてるだとっ!?
つい俺はあたりを見回してしまった。
ハッとして何も無かったように立つが今のも見られていたのだろう。きっと死神は腹を抱えて笑っているんじゃないか、そう思うとムカつく。
まあそんな事はいい、とりあえずナイフを買いに行こう。
そして道具屋についた。
「いらっしゃい、おさがしものかい?」
「剥ぎ取り用のナイフはあるか?」
「あるよ。銀貨2枚だよ」
「なら一つもらおう」
「まいどあり!」
こうしてナイフを手に入れた。
残りの手持ちは金貨10枚と銅貨5枚だ。
ナイフは腰のベルトに鞘に入れて付けておいた。
よし。準備は整った。
そろそろ夕暮れも近い、門の外に向かうとしよう。
ステータス]
神崎葵
Lv2
男
人間
装備
ガバメント ×2
ロングソード
鉄の盾
剥ぎ取りナイフ
漆黒の外套
厚底ブーツ
スキル
真名解放=自分の真名を用いて詠唱することで各種パラメーター上昇+a
しかし、詠唱内容によって変化
リロード=MPを消費することによって現在装備している銃の弾倉を補給することができる。
召喚魔法=MPを消費し物体、人物、生物を召喚できる。しかし召喚するには詠唱が必要であり不完成な詠唱では召喚できない。召喚するものによって消費MP、期間、回数が左右される。」