第15話 ギルド
ちゅんちゅん
鳥の鳴き声だ。
朝か……と思いつつ目を開けた。
「知らない天井……ここは……」
あたりを見回して思い出した。
そうか、ここは本来の世界……。
夢オチってわけでもなさそうだしな。
などと思いながらもベッドからでて食堂に向かった。
「お、お客さん。おはようさん。朝飯食うかい?」
「あぁ、頼むよ。」
食堂にはTHE食堂のおばちゃん!
って感じのおばちゃんが料理をしていた。
席に着くと今日の予定を考えていた。
さて、今日はどうするか……昨日アーウェルはギルドがあると言っていたしな、ギルドに行ってみるか。
あと、キンベルが奴隷商人だったとはな……奴隷か……奴隷……欲しい。可愛い奴隷が欲しいぞ!
などと考えるとおばちゃんが朝飯を持ってきてくれた。
「ほらよお客さん。お待ちどうさま」
「ああ、ありがとう。」
朝飯は昨日アーウェルの店でご馳走になったものよりグレードを下げた感じのものだった。
やっぱりアーウェルは金持ちだからいいものを持っているな。
食べ終わったあと、おばちゃんにギルドとキンベルの店の位置を聞いて宿を後にした。
ギルドに向かう途中に街の人間達を観察しながら歩いていたがここの街は人間が多い。
稀に獣耳やドワーフがいる程度だ。
それに冒険者のような人達も多い。
皆、盾や剣、槍、弓、斧などを持っている。
死神の言う通り、ここは中世ヨーロッパ程度の文化なのだろう。
そして魔法使いは見たところ貴族のような身分の高い人達しかいなさそうだ。
などと考えながら歩いていたらギルドについたようだ。
ギルドの中はだいたい想像したとおりだった。
依頼の掲示板があり、その依頼を受けるカウンター。
食事スペース、うん、モン〇ンだ。
ギルドの中を見回していると職員らしき人が声をかけてきた。
「こんにちは。変わった格好ですね。ギルドは初めてですか?」
「ああ、そうなんだ。」
「それでは簡単に説明をさせてもらって宜しいですか?」
「それはありがたい、頼むよ」
「かしこまりました。ギルドとは各地にある冒険家、ハンターなどの支部です。情報交換、交流の場などに使われます。勿論、依頼の受注などもできます。ギルドを利用する方には必ずギルドカードを作っていただきます。これは身分証のようなものですね。そして基本はどこかのギルドに所属してもらっています。ですがこれは強制ではありません。ここまで宜しいですか?」
「ああ、大丈夫だ。」
「依頼は自分のギルドレベルに沿って受けられます。ギルドレベルとは自分の実力を表します。初めは1ですがそのレベルの依頼を複数成功させるとギルドから昇格試験が与えられます。それを達成すると次のレベルに上がることができ、難易度の高い依頼を受けられるようになります。以上がギルドの簡単な説明となります。なにかご質問はありますか?」
「いや、だいたい理解出来た。ありがとう。」
「いえいえ、詳しいことはカウンターにてお聞きください。それでは、失礼いたします。」
そう言うと職員は去っていった。
うん、モン〇ンだな。あとギルドに所属ってのは珍しいな。まあ、強制じゃないならまだいいだろう。
とりあえず、ギルドの確認は終わった。
次はキンベルの店に行こう。
そう思いギルドを後にした。