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025-真の試練01

『試練突破の報酬としてサブスキルを2つ取得可能です。一覧から選択してください』

 

 前回と同じくログインすると、そこは部屋ではなくアバター作成時と同じ空間であった。そして目の前にはサブスキルと思われる名称が並んだウィンドウが表示されている。

 選択可能なサブスキルは筋力強化などのステータス強化系と思われるもの6種類とHP強化とMP強化、そして鑑定に識別の計10個。強化系はその名称から効果が予想できるとして、鑑定と識別が気になるところだ。

 鑑定はおそらくアイテムの情報が分かるようになるスキルだと予想しているが、そうなると識別はオブジェクトの種類が分かるようになるスキルだろうか。たとえば狼は魔物、石はフィールドオブジェクト、リンゴはアイテムなど。

 そうであれば僕が取得するべきは鑑定と識別なのだが、鑑定に関してはパーティ内で誰かが所持していれば問題はない。識別に関しては魔物が関わっており、咄嗟の判断が必要な場面もあるだろうから全員が取得しておくべきだろう。

 そして、おそらくリンカさんが筋力強化と素早さ強化、アオさんが識別と筋力強化か鑑定を取得するだろうから、僕が取得すべきは識別と鑑定かMP強化。

 昨日アリサさんから話を聞くまでならばそう考えていただろうが、予測される出来事を考えるとMP強化よりも筋力強化が必要となるだろう。魔法銃はそれなりに重いので仕方ない。

 しかし、問題は筋力強化でどこまで強化してくれるかだ。おそらく1割上昇や1上昇程度では出来事に対応できないだろう。それならばアオさんが取得するか迷うだろう鑑定を取得しておくべきか。

 ……うん、やはり鑑定を取得しておこう。パーティ内に鑑定持ちが1人もいない状況は良くないし、仮に状況を打開できるアイテムがあったとしてもその情報を得られない可能性も出てくる。おそらく加算数値が低いであろう筋力強化を選択するよりは、まだこちらのほうが次の試練を突破できる可能性は高いだろう。

 それに予想している出来事が起こらない可能性は十分にあるのだ。起こらなかった場合を考えると識別、鑑定を取得するのが一番良い。

 取得するスキルが決まったところでウィンドウから鑑定と識別を選択する。

 

『鑑定と識別が選択されました。間違いありませんか?』

 

 ウィンドウに表示された内容を確認して完了を選択する。

 

『選択されたサブスキルの取得を確認しました。プレイヤー全員が決定するまで少々お待ちください……全プレイヤーの報酬選択、及び取得の完了を確認しました』

 

 この待ち時間の少なさ、おそらく体感速度を変更して待ち時間が少なく感じるように配慮されているのだろう。便利な機能だ。

 

『お久しぶりですね、プレイヤーの皆さん。10日間のチュートリアルはお楽しみいただけましたか?』

 

 聞こえてきたのはアバター作成直後に聞いた、世界を賭けたゲームを宣言したあの声。

 

『さて、今回は私からお伝えすることがあります。今回より、アバターに現実の体の能力を反映させます』

 

 予想していた出来事だが、ここで言葉が終わればきっと問題ない。それでも、言葉は続くのだろう。

 

『筋力や生命力など、ステータスを現実の体の情報からそのまま反映します。そのため力持ちの人は筋力が高く、駿足を誇る人は素早さが高くなるでしょう。そして、当然ですがマイナス面も反映します。現実の体の状態を、そのまま』

 

 おそらく、次あたりに最も強力な言葉が告げられる。その言葉は僕にも効くが、リンカさんへ与える影響はとても大きいだろう。

 

『つまり、今のアバターは現実の体と同じ。そのように認識してください』

 

 その言葉が終えられた瞬間、体に変化が訪れた。アバターの形状は変化していないが体が重くなったのを感じるので、おそらくステータスが変化したのだろう。

 そして左腕の薬指を見てみると、そこには先ほどまでは存在していなかった白い指輪が嵌っていた。つまり、現実の能力はそのまま反映されたのだろう。それが特別な能力であっても。

 

『私からは以上です。それでは失礼します』

 

 次の瞬間、視界が変わった。

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