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OTHER STORY

その手を差し伸べて──

作者: 睦月火蓮
掲載日:2013/02/02

少女視点です。

私はいろんなものを壊した。自身の野望のため。

けれど、満たされない。何故でしょう?

ああ、そういうことですね。まだまだ足りない。

ここにはもうない。なら、別世界へ。
















どこの世界も、皆弱い。すぐに壊れてしまうのね。

つまらない。最後の一人を壊した。そう思ったら…

あらあらあら。比べ物にならないくらいに強い気が。

「殺気」「怒り」「悲しみ」…わぁ凄い。全部の感情が綺麗に混沌としているわ。

貴方は、私を楽しませてくれる?


さっきまであんなに熱く燃えるようなものだったのに、呆気ない。

…あら? どこかの地図? ああなるほど。彼はこの世界の「英雄」だったわね。

きっとこれから他の「英雄」に会いに行くところだったのね。

残念。だって、もう貴方はいないの。

けど安心して、すぐに仲間もそっちに送るから。


…やっぱりつまらない。ねぇどうして?

お気に入りの黒と紫のドレスも、赤く染まっちゃいました。

でも綺麗。赤は嫌いじゃないから。

赤は「情熱」をあらわすの。そうでしょ?

…あらあら。どうやらまだ一人、残っていたみたい。

いいわ。最後の一人くらい、じっくりと遊んであげます。
















困っている人をほっとけない。それが「英雄」達の特性。

なら、それを利用するだけ。

仲間になったふりをすれば、きっと彼は釣られるでしょう。


ほら。こんなものに簡単に騙される。

私に壊されると知らずに「大丈夫か」って手を差し伸べる。その笑顔で。

でも何故? どこかで満たされるのは。

ううん。気のせい。そんなはずないわ。

そんなことは…


貴方は何故そう笑っていられるの…

他の「英雄」のようにすぐに破壊することができないの…

当たり前にやってきたことがどうして彼に抵抗を感じるの…

どうして…?


…あーらら。遂に襤褸が出て正体がばれちゃいました。

駄目ね。

いずれはこうなることを理解していたのに…

この胸の締め付けは何? 何故そんな顔ができるの? 私には全く理解できないの…
















勇ましく一人で乗り込んできた貴方。やはりね。

貴方の性格からして、仲間に黙って来たのでしょう?

戦う前に私は貴方に約束をした。「勝てたら、今まで壊したものを元に戻す」という。


「──さぁ、私と貴方。二人だけのダンスを…

            最後の戦いを、共に刻みましょう──」


そう言って、互いに手加減無しの真剣勝負。運命を…互いの全てをかけて。








結果…私は貴方に敗れた。

約束通り、全て元通りにした。

けれど…何故でしょう。気持ちがこれほどに満たされるのは。

やっと分かったのですね…

満たされなかったのは…足りなかったのは…


──仲間。


それを教えてくれたのは貴方。

やっと気がついて、涙が溢れてくる。

そんな私に、笑顔で貴方はこう答えた。


「一人は、誰だってつまらないものさ」


初めてであった、あの時のように、その手を差し伸べて──

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