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超妹理論  作者: 揚羽常時
二年生三学期編
292/298

風紀委員とかあったね3


 で、放課後。


 鏡花水月は途中下校。


 僕と華黒は風紀委員に呼ばれた。


 ちなみにそのフォローためにルシールと黛が事前に店を予約してくれるとのこと。


 持つべきモノはルシールと黛だね。


 とりあえず生徒指導室にて風紀委員と対面する。


 コーヒーが差し出された。


 ありがたく受け取る。


「それで今朝の件なのですが……」


 やっぱり?


「何か問題が?」


「無いと本気で思ってるんですか?」


「別に校則違反をしているつもりもないけど」


 この程度の腹芸は僕でもできる。


「今朝の集団行為のそもそもの原因はあなたでしょう?」


「……っ」


「待った」


 激昂しようとした華黒の口を(隣に座っていたため案外簡単に)塞いだ。


「――! ――!」


「別に風紀委員さんは僕を否定してるわけじゃないから」


「じゃあどういう意味だっていうんですか……」


「単なる確認事項」


 コーヒーを一口。


「そうでしょう?」


「しかして目に余るのも事実でして」


「何か問題が?」


「美少女連れてイチャイチャイチャイチャしていたら風紀委員としても困惑するというかなんというか……」


「ま、気持ちはわかるけどね」


 大嘘つき。


「兄さんのせいではありません」


「承知しています。その上で目に余るのです」


「乙女の恋心まで否定するというのですか?」


「何事にも限度があります」


 コーヒーを一口。


「ハーレム作ったような学校生活を行えば反発を買うのは必然です。なお百墨隠密親衛隊まで組織されているんですから」


「前後の節が繋がってないよ?」


「僕がハーレムに甘んじていること」


 と、


「百墨隠密親衛隊の結成」


 に本来因果関係は無い。


「それはそうですけど……」


「もう卒業しちゃったけど酒奉寺昴って先輩の悪例もあるからこれくらい許容範囲じゃないの?」


「お姉様は特別ですから」






 …………………………………………。






「もしかしてハーレムの一員?」


「はい」


 そーですかー。


「昴先輩はアウトじゃないの?」


「アウトですけど訴える人がいませんでしたし」


 にゃるほど。


「特に清い男女交際を推進する側としては百墨さんたちには清く正しい交際をお願いしたいのです」


「僕、童貞なんだけどな」


「…………」


 あ。


 引かれたな。


 コホン、と吐息をついて、


「そんなわけで他の生徒を刺激しないためにイチャイチャするのを控えてほしい……と」


 無茶を言う。


「僕じゃなくてヒロインたちに言ってよ。何で僕が怒られなきゃならないのさ」


「そうです。私だって処女です。なんなら病院で証明しましょうか?」


「そういう話ではないのですが……」


「好きな人と仲良くしたいという感情まで押し殺せというのですか? 清く正しい男女交際さえ禁止すると?」


「そうは言っていません」


「言ったも同然だよ。発言には責任を持とうね」


「う……」


 風紀委員が怯んだ。


 まぁ理はこっちにあるし別段特別な話術も必要ないんだけど。


「勝手に憧れておいてその娘の純情が兄さんに向けられた瞬間に兄さんに敵愾心を覚えているんですから不条理なのはそっちの方でしょう? 私たちはアイドルではないのですから一人の男性を好きになって悪い道理がありません」


「そーだそーだ」


 やるき無げに追撃。


「取り締まるべきは親衛隊の方だと?」


「たまに隠し撮り写真を売り買いしたりも行なっているらしいですよ? 肖像権の侵害ではないでしょうか」


「そちらについては憂慮しています」


「で、ここでの言葉をすべて並べて僕たちと乙女救済交渉団のどちらに非があると思います?」


「わかりました。親衛隊への取り締まりをきつくします」


「私たちへの干渉は?」


「最大限譲歩します」


「譲歩する? 何の権限があって? なんでそんなに上から目線なんですか? 私たちは好きな人と仲良くしてるだけの清く正しい生徒の鏡ですよ? 風紀委員が何を譲歩するというのです?」


 上から目線は華黒も同じなんだけどな。


 言わないけどさ。


「わかりました。不干渉を貫きます。問題が起きたら親衛隊の方を牽制しましょう」


「それでいいんです」


 不遜に華黒。


 ツッコんでも話題がやわくちゃになるだけなので、


「…………」


 僕はコーヒーを飲むことに終始した。


 今日のルシールと黛の予約した店は何処だろな?


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