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04話 だんだん状況が見えてきました

うおお、お気に入りに評価に感想までありがとう御座います…!

ご期待に添えられるかは分かりませんが、精一杯頑張らせて頂きます……!



今回はシャロンちゃん少々しょっぱい展開です。


婚約破棄の事務手続きの話をしていた最中に突然現れた“巫女様”。


初めはまさかの展開に、若干呆けてしまいましたが――お二人の様子を見て、何となく状況が見えてきました。


「オイ、ジークの奴ブチギレ寸前じゃねぇか」

「表面上にこやかな分、邪悪オーラの迫力まじ半端ねェ」

「それに気付いてねェとか、あの嬢ちゃんが本当に世界を救った巫女様なのか?」


外野、お黙りなさい。

例え本人が眼前でテメェ潰すぞオーラ全開な宰相様にしか意識が向いていないからって、お客様への誹謗中傷は私が許さん。

―――という視線をテーブル席の方へ向けると、常連さん方は片手を挙げ軽いノリで謝罪をしてきました。…ですが、顔面がニヤケて崩壊しているという。

皆さん、完全に楽しんでらっしゃいますね…。


かく言う私は状況は見えたものの、どう動くべきか決めあぐねていました。


あの一等級に自尊心のお高い宰相様が、正直空気が読めていらっしゃらないこの巫女様に陥落したという噂が国中に出回っていると言う事実。

どうやらただ事ではない何かが起こっているのは間違いありませんが、如何せん私はつい先程婚約“白紙”を言い渡された身。

――つまり、宰相様は暫く自分に関わるなという事を伝えに来たのではないか――とは思うのですが、ついでに惰性で続いていた没落女との関係を断ち切ろうとなさっている可能性も捨てがたく。

どうしたものかと、ふと宰相様を見やると何とも言い難い複雑な表情をされていて。


…ああ、オムレツが冷めて美味しくないけど、巫女様には猫を被っている手前、顔をしかめられない――という所でしょうか。


「温めましょうか?」

「……頼む。」

こういう事なら簡単に解るんだけどな――と思いながら、オムレツを温める呪文を唱えていると、宰相様の隣に立たれていた巫女様が息を呑む音が微かに聞こえました。


「…火の魔法?」

「え?あ、はい…。」


…しまった、思いも寄らぬ所で巫女様に認知されてしまいました。

手前に座る宰相様も、思わずといった感じで顔をしかめています。

…恐らく彼女と関わる事が最もタブーと思われる中で、目立つ様な真似をしでかしてしまった私は―――それでも何とか切り抜けようと話を逸らす事にしました。


「お客様も何かご注文は御座いますか?」

「…えっ、あっ……えぇと、お弁当があるから大丈夫ですっ」


…よし、逸れた。

思わずカウンターの下でガッツポーズ。

後ろの方で常連さん達もエア拍手で褒めて下さっています、が。


「すみません、お腹空いちゃって…此方で食べちゃっても良いですか?」

そう言って、あろう事か飲食店で巫女様は恥じらいつつも非常識な提案をなさいました。


…えっ、あの、いやもしかして巫女様の世界ではこれが常識なのでしょうか―――などと私が今度こそ思考停止に陥ったその時、口を開いたのはいつの間にかオムレツのプレートを空にした宰相様でした。


「マドカ様、此処は酒場です。飲食店で持参の弁当を広げるのは非常識です。」

「……あっ、……………………………………………………………ごめんなさい………」



『…』が多い。

…と、思わず宰相様的なツッコミを入れてしまいそうになりましたが、いやいや、今はそれよりも目の前の巫女様です。


どうやらこの方、精神的にまだまだ幼くいらっしゃる様ですね。良く言えば純真無垢なのかもしれませんが、うっかり余所の酒場で似た様な話しをした日には女だろうが容赦なく締められます。子供だからで済まされるのは10歳までですからね、この国は。


あ、でも巫女様ですから、何とかバリアーとかいうので護られるから大丈夫なのでしょうか。まあ、どうでも良い話ですね。


そんな事をぼんやりと考えながら傍観していると、ポツリポツリと巫女様が話し出しました。


「……そうですよね…折角エリクさんに手伝ってもらって、一生懸命作ったので、ジークさんにも、と思って持ってきたんですけど…、そうですよね。迷惑、ですよね……本当にごめんなさい!」


と、巫女様。宰相様に向かって最敬礼で謝罪。


「オイオイ、ガチでジークしか見えねーぜあの嬢ちゃん。」

「思った以上に盲進的だな。」

「しかし、エリクと言えばあの魔道騎士のエリクサマか?さり気なく男の名前出すなんざ、なかなかやるな。」

「しかも無自覚くせぇし、ありゃジークも相当振り回されてんな。」

「ひぇー修羅場修羅場。」


ざわざわと、巫女様が来店なさる前とは打って変わって騒がしくなる店内。

…ギャラリーが増えているのは気のせいではないですね。


宰相様には申し訳ありませんでしたが、さり気なく修羅場なお二人から離れお客様の対応をしていると―――突然、後方からドっと歓声が沸き上がりました。

何事かと振り返れば、そこには―――無表情に淡々と巫女様のお弁当を召し上がる宰相様と、嬉しさのあまり泣き出しそうな巫女様のお姿がありました。



…………勝手ではありますが、今日の夜の営業はお休みさせて頂く事に、しました。



婚約破棄か…→ん?破棄ではなく白紙と言う事は…?→ジークさんナニシテンスカヽ(^p^)丿


と言う事で、巫女様ガチで寝取りにきたぜ!二段階ダメージは地味にキツいぜ!…な巻でした。


ジークさんまじナニヤッテテンスカ/(^o^)\

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