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天災

AIと共同執筆です

「……あれは、もう戦いじゃない。ただの収穫だ」

ギルドの受付カウンター。老いた冒険者は、震える指でカウンターを叩きながら、濁った声で繰り返した。

かつては名のある剣士だった男の装備はボロボロで、その瞳からは、もはや闘志など一滴も感じられない。あるのは、魂まで削り取られた者の、空虚な拒絶反応だけだ。

彼が対峙したのは、古の魔獣でも、巨大な岩石獣でもない。

どこにでもいるような、だが異常に知能の高い一頭の縞模様の猛虎。

人呼んで『牙剥き(ファング・ストリップ)』。

この虎は、重装備の騎士には目もくれない。

彼らが夜、重い鎧を脱ぎ、焚き火を囲んで「人間」に戻った瞬間を見計らって、闇から音もなく現れる。

狙われるのは決まって、喉元の柔らかい魔術師や、逃げ足の遅い荷運びの少年だ。

「奴は、俺たちの『武力』に興味がないんだ。ただ、一番効率よく、一番甘い肉を、どうすれば安全に剥ぎ取れるか……それだけを学習し尽くしている」

奴は、人間が仕掛ける罠をすべて「遊び」のように見抜き、逆にそれを利用して、罠を仕掛けた本人の背後に回る。

昨日まで「怪物退治」と笑っていた若手冒険者は、今はガタガタと震えながら、一歩も動けずに死んだ。

彼らにとって、あの虎はもう「討伐対象」ですらない。逆らうことのできない「捕食者」、圧倒的強者なのだ。

老人は、ギルドを訪れるたびに、震える手で依頼書を書き直している。

もはや受理されるはずのない、終わりのない討伐依頼。

「……やつは、俺たちの『恐怖』すら、肉を柔らかくするための調味料だと思っている。わかるか? 俺がこうして生き残っているのは、運が良かったからじゃない。奴が、俺を『不味そうな腐肉』として、後回しに決めただけなんだ」

窓の外では、陽が落ちようとしている。

老人は怯えたように周囲を見回し、杖を突いて、逃げるようにギルドを後にした。

そう。

奴は、今日もやってくる。


「わしらがいなくなるか…やつを殺すまで…。」

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