ノート
AIと共同執筆です。
〇月十五日:霧
最悪だ。キャンプ中に奴に襲われた。だが様子がおかしい。空腹で襲ってきたんじゃない。斥候のガリクが拾った「奇妙な石」……あれが奴の縄張りの印だったらしい。ガリクは一撃で頭を潰された。即死だ。俺たちは荷物を捨てて逃げた。あんな速さで崖を登るインサニティ・グリズリーなんて聞いていない。
〇月十六日:雨
奴がずっと付いてくる。一キロ先、霧の向こうにあの巨大な影が見える。
夜、交代で寝ていた魔術師のルチアが連れ去られた。叫び声さえなかった。朝、近くの樹木に、彼女が着ていたローブの端と、中身のない「右腕」だけが引っかかっていた。食い散らかしたんじゃない。奴は俺たちを「狩り」ではなく「処刑」している。
〇月十七日:曇り
火を焚いても無駄だ。奴は火を恐れない。
夕方、ついに追い詰められた。残った二人で必死に斜面を登ったが、奴は重戦士のハンスに追いついた。
目の前で、ハンスが顔面を丸ごと剥ぎ取られた。奴の爪は、鋼鉄の兜を紙のように引き裂いた。ハンスが「痛い、何も見えない」と泣き叫びながら、生きたまま腹を割かれ、内臓を引きずり出されるのを、俺は岩陰で震えながら見ていることしかできなかった。奴は、ハンスの腸を一本ずつ噛み切りながら、じっと俺を、その黄色い眼で見つめていた。まるで「次はお前だ」と楽しんでいるように。
〇月十八日:雪
もう、指が動かない。俺一人になった。
隠れても無駄だ。俺の匂いを奴は知っている。さっき、すぐ後ろで枝が折れる音がした。振り返らなくてもわかる。奴の湿った吐息が、首筋にかかっている。
腹が減った。だが、奴に食われるのが先だろう。
もしこれを誰かが読んだら、この山には入るな。奴は……奴は、まだ怒って――。
(ここで文字は激しく乱れ、ページの半分が何かに噛みちぎられた跡がある)
以上が、現場で発見された日記の全容である。
数ヶ月間、未踏の連峰で行方不明となっていたCランクパーティ「北風の旅団」のキャンプ跡地が発見された。遺体は一切残っておらず、ただ、引き裂かれたテントの隅に、真っ黒に汚れた一冊の日記帳だけが転がっていた。




