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十五歳

夏が終わり、秋が訪れた。

季節の移ろいとともに、木々の葉は赤や黄色、橙色へと染まり、焼けつくような暑さは影を潜め、畑で三か月もの間汗を流してきた人々を優しく包み込む涼しさが戻ってきた。

太陽でさえ、どこか穏やかに感じられる。

俺――呉剣は、この秋で一つ歳を重ねた。

十五歳だ。

気づけば、子どもの頃とは比べものにならないほど成長していた。身長もさらに数尺は伸び、今では侯景淑よりも頭一つ分ほど高い。呉美影はほとんど同じくらいまで伸びてきているが、それでもわずかに俺の方が高い。

そういえば、俺の身長が一気に景淑を追い越した時、彼女が文句を言っていたのを思い出す。

本当にどうでもいいことで、あの子は妙に張り合うところがある。

農業、薬材採集、そして税収――

それらを主な収入源とする呉家にとって、秋は実りの季節であり、最も重要な時期でもあった。

本家の者たちは常に一族の屋敷で暮らしているが、分家の多くは、斬牙城の外に広がる農地で生活している。俺がそこを訪れたのは、これまでに数えるほどしかない。

畑では、サツマイモ、トウモロコシ、米、茶葉などが育てられており、土地の養分を保つため、季節ごとに作物を入れ替えている。

俺は次期当主として、農業についても一通りの知識を叩き込まれてきた。

あの時、畑に連れて行かれたのも、ただ見学させるためではない。実際に畑を耕し、家畜の世話をさせることで、この一族を支える仕事がどれほどの労力を要するものなのかを理解させるためだった。

父上は言っていた。

――民の仕事を知らずして、民を導くことはできない、と。

もっとも、今の俺は畑仕事をしているわけではない。

「遠路はるばるお越しいただき、感謝いたします」

そう言ったのは、周族の族長――周祖だった。

彼は、俺の父の前で丁寧に頭を下げている。

「とんでもない。お招きいただき、感謝いたします。この呉有志、ありがたく参上いたしました」

父はそう言って、礼儀正しく抱拳礼を取った。

現在、俺――呉剣は父と共に周家の邸宅を訪れていた。

本来ならこの時間、呉美影や侯景淑と一緒に蔵書楼にいるはずだったが、こうした場に父と同席するのも、次期当主としての務めの一つだ。

正直なところ、少し残念な気持ちはあった。

だが――その気持ちを和らげてくれる存在も、ここにはいた。

「久しぶりね、剣。大華城以来じゃないかしら」

周麗華はそう言うと、俺の腕に抱きつくようにして胸に引き寄せた。

こちらを見る視線は、どこか含みのあるものだった。

「会えなくて、寂しかったわ」

父と周祖の視線をはっきりと感じ取りながら、俺は必死に平静を装い、精一杯の笑顔を浮かべた。

「そ、そうだね。久しぶりだ……えっと……その……俺も、まあ、会えなくて……」

「“まあ”? ずいぶん曖昧ね。本当に私のこと、恋しかったの? それとも、ただ言ってるだけ?」

細められた瞳に射抜かれ、背中に冷たい汗が伝う。

「い、いや、恋しかったよ。間違いなく。うん、確実に」

首筋を伝う汗を感じながらそう答えると、周麗華の表情は一瞬で明るくなった。

「それを聞けて嬉しいわ!」

久しぶりに会った彼女は、以前よりもさらに美しくなっているように見えた。

白い肌は生き生きとした艶を帯び、頬に常に浮かぶ淡い紅が、妙に色っぽい。

肩を大胆に露わにした漢服からは、しなやかな肩線と、わずかに覗く柔らかな胸元が見えた。

……気のせいか、前よりも少し大きくなったような気がする。動くたびに、僅かに揺れて――

(服越しでも、彼女の体温が……)

俺がそんなことを考えているとは露知らず、周麗華は嬉しそうに微笑み続けていた。

喉が渇くような光景だった。

いや、正確に言えば――全身が妙に熱を帯びて、落ち着かなくなるような光景、だ。

俺は今、思春期の真っ只中にいる。

それを否定する気なんて、これっぽっちもない。

胸の奥がざわつき、視線をどこに置けばいいのかわからなくなる。

頭では「落ち着け」と何度も言い聞かせているのに、体がまるで言うことを聞かない。

……くそ。

一本取られた気分だったが、俺は何も言えないまま、父と周祖の後を歩き、周麗花と並んで周家の屋敷へと続く道を進んだ。


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