雪原の魔女
私が生きる理由は、ただ一つ。贖罪の数を増やすこと。
「聖女」と呼ばれた過去は焼き尽くし、「英雄」の誇りは罪に塗れた。親友の形見である大鎌を抱きしめ、今は「雪原の魔女」として緩やかな死を待つだけの私。
そんな私の前に、一人の青年が現れた。 難病の妹を救ってほしい、と。
希望、家族愛――とうに失くしたはずの感情をぶつけてくる彼の目は、ひどく滑稽に見えた。 それでも、なぜか私は扉を開けてしまった。
凍てついた心を溶かすのは、救いを求める声か、それとも更なる絶望か。 一度死んだ少女の、冷たく長い旅が始まる。
「聖女」と呼ばれた過去は焼き尽くし、「英雄」の誇りは罪に塗れた。親友の形見である大鎌を抱きしめ、今は「雪原の魔女」として緩やかな死を待つだけの私。
そんな私の前に、一人の青年が現れた。 難病の妹を救ってほしい、と。
希望、家族愛――とうに失くしたはずの感情をぶつけてくる彼の目は、ひどく滑稽に見えた。 それでも、なぜか私は扉を開けてしまった。
凍てついた心を溶かすのは、救いを求める声か、それとも更なる絶望か。 一度死んだ少女の、冷たく長い旅が始まる。