13 雨
放課後。麻子と真司、2人は両想いになってから、いつものように校門を出て、桜ヶ丘町行きのバス停まで、並んで歩く。
「この前、久しぶりに、スリークォーターの失踪を読んだの。ゴドフリーが気の毒だわ。最愛の人を病気で失ったのだから……。」
麻子はその映像を見たかのように、頭の中で再生した。
「そういう話だからな。でも、やりきれないよな」
真司もしみじみ思い返した。
突然の夕立。
「「雨!?」」
真司は、突然沢山降ってきた夕立に傘もなかったので、自分の学ランを脱いで、麻子の頭に、傘の代わりにかけた。
「それじゃあ、真司がぬれちゃうよ」
「いい。俺はこうするから」
と、真司は、学生カバンを自分の頭の上に乗せた。
麻子は自分だけそんなの嫌だと思って、すごい力で、自分に掛けられた真司の学ランを2人で被るように仕掛けた。
その拍子に、真司の間際に麻子の顔があった。真司は急なことにためらって、ドギマギしたが、そのまま、屋根のあるバス停まで歩いて行った。
秋のある突然の夕立も、両想いの麻子と真司にとっては、嬉しいハプニングになったのであった。
読んでいただき、ありがとうございます。
久しぶりの投稿です。
1854年の今日1月6日は、シャーロック・ホームズの誕生日です。
パスティーシュでもある麻子と真司の物語をまた投稿できて、嬉しいです。
長編のシャーロック・ホームズ未来からの依頼人ー麻子と真司の時空旅行ーの続編長編青いガーネットの奇跡も近日投稿予定です。
こちらも、また、よろしくお願いいたします。




