表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麻子と真司の物語  作者: 村松希美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/13

12 ハロウィン2

麻子と真司の物語、昨年のハロウィンのエピソードのもしも、バージョンです。


もしも、ハロウィンに海に行けていなかったら……の話です。


 「今度の日曜日にツマに釣りに行こう」

 昼休みの図書室で真司が麻子を誘った。



 (今度の日曜日はハロウィンなのに釣り? 真司はハロウィン知らないのかな?)

 麻子は怪訝に思った。

 (そうだ、それならサプライズね)



 「じゃあ、真司のお弁当も作っていくね」




 ー☆ー


 ハロウィン当日。

 桜ヶ丘町一丁目のバス停で。



「麻子、遅いな。10時に待ち合わせしたのに」

 真司は腕時計を見る。しばらくすると、麻子と乗るはずだった、シーサイドタウン行きのバスが通り過ぎてしまった。



 真司は、麻子の家に行った。このバス停から、麻子の家は近い。



 ピポーン!


 真司は、麻子の家のインターホンを鳴らした。


 「あら、仁川君!」

 麻子の母親が出てきた。


 「麻子さん、いますか?」

 真司がすかさず訊く。


 「それが、麻子、今朝、熱が出て、今、自分の部屋で眠っているわ。今日は、麻子とツマに行くはずだったのよね。あの子もお弁当作り張り切っていたのに……。ごめんなさいね」



 真司はびっくりしたが、そういうことならと思い、少し残念だったけど思い直した。



 「あの、麻子さんが起きた頃にまた来ても良いですか? お見舞いに」



 「良いけど…あの子も喜ぶわ」

 麻子の母親は妙案だという具合に言った。


 「それじゃあ、俺、出直してきます」


 真司は釣り道具を片手に、麻子の家を出た。




 ー☆ー


 「ほら、お弁当、開けてみて」

 「どれ、どれ……」


 ツマの海で真司が麻子のお弁当のタッパーを開けようとすると、ジャックオーランタンのカボチャサラダのはずが、黒い渦を巻いて、真司に飛びかかろうとした。



 「わたし、こんなの作ってないー!……」


 麻子が叫んで目を覚ますと、そこに真司がいた。


 「麻子、大丈夫か? かなりうなされてたけど」


 麻子は自分の部屋のベッドに寝ていて、真司がいることに驚いたが、さっきのは、夢だったと認識して、自分の頬を両手で叩いた。



 「夢か。びっくりしたー。夢もびっくりしたけど、真司がいるんだもん」



 「そんなことより、熱は大丈夫なのか?」


 「うん、熱冷まし飲んで眠っていたら、熱が下がったみたい。でも、電話もかけないでごめんね。薬で眠っていたから」


 「そんなこといいよ。麻子が無事なら」


 「ごめん、釣りもダメになったね。ハロウィンのお弁当作って行こうと思ったのに」


 「いいよ。釣りならまたいつでも行けるよ」


 真司はやさしく微笑んだ。


 「今日は、ハロウィンだよな」


 「真司、知ってたんだ」


 「まあな。急きょ変更になったので、こんなものしか用意できなかったけど、ハッピーハロウィン!」


 といって、真司は紙袋から、オレンジを三つと、魔法瓶を取り出した。真司は魔法瓶から、ふたのコップに注いで麻子に渡した。



 「わあー、ホットチョコレートとオレンジ!」


 「そうだよ。色的に、ハロウィン」


 と、真司はニコッと笑った。



 「ありがとう、真司。ツマには行けなかったけど、素敵なハロウィンになったわ」



 麻子は、真司の温かさに触れて、体調もよくなるんじゃないかと思った。



 二人は、突然のアクシデントにもめげずに楽しくハロウィンを過ごした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ